そもそも近所にゲーム機を売っている店がない
SNSでは、スイッチ2がたまたま店頭で販売していたことを報告する投稿なども散見される。しかし、そういったチャンスに遭遇できるのもごく一部の人だ。そもそもゲーム機を販売している店舗が少なくなっているという声もある。
都内に住む会社員・Aさん(40代男性)は、近所でゲーム機を買える店がまったくないと嘆く。
「数年前までは最寄りの駅に大きなTSUTAYAがあり、そこでゲーム機もゲームソフトも買えました。でも、そのTSUTAYAは書店にリニューアルされて、いまはゲームを売っていない。大きめのスーパーにゲーム売り場はありますが、そこもかなり縮小されてしまい、ソフトが数本売っているくらいで、ゲーム機本体は売っていない。いまの自分の生活圏では、まともにゲーム機を売っている場所がなく、“たまたまスイッチ2が売っていた”ということが、ありえないんです。かといって、生活圏から離れた場所まで出向いて、おそらく売っていないであろうスイッチ2を探すというのも現実的ではない。ネット販売での抽選もなかなか当たらないし、当分買えないままです」
かつて、TSUTAYAやゲオなどのレンタルビデオショップでは、CDやDVDとともにゲーム機やゲームソフトの販売を行っており、“街のゲーム屋さん”の機能を果たしていた。しかし、音楽や動画のサブスクリプションサービスが普及し、ゲームソフトのダウンロード販売も一般化されていくなかで、レンタルショップの閉店や事業転換が進んでいる。身近でゲーム機を売っている店が減少しているがゆえに、スイッチ2を買える機会がなかなか得られないという人も少なくないのだ。
まだまだ少ない専用タイトル
一方で「まだスイッチ2は必要ない」という声もある。というのも、現時点ではスイッチ2でしかプレイできないゲームタイトルはまだ少ないのだ。
「現在、スイッチ2でしかプレイできない人気の高いタイトルは、ローンチタイトルとなった『マリオカート ワールド』と『Nintendo Switch 2 のひみつ展』、7月に発売された『ドンキーコング バナンザ』くらい。いずれも注目のタイトルですが、“スイッチ2専用タイトル”はそこまで充実しておらず、急いでスイッチ2本体を手に入れる必要はないと考える人がいても不思議ではありません。
また10月に発売されるポケットモンスターシリーズの新作である『Pokemon LEGENDS Z-A』のように、スイッチ2エディションだけでなく、初代スイッチ用のソフトも発売されるタイトルも多く、スイッチ2がなくても楽しめる状況でもあります。そう考えると、まだまだスイッチ2への移行期間で、無理してでも入手するような状況ではないと思います」(藤井氏)
発売から4日で世界での販売台数が350万台を突破したスイッチ2。日本国内の販売台数も、発売から約1か月で150万台以上を超えており、初代スイッチの3倍のペースだという。その需要の高さは衰えることを知らないが、任天堂は初年度の世界での販売台数の目標を1500万台としており、来春までには比較的入手しやすい状況になるとの予測もある。人気タイトルが出揃ったころに、本体の供給体制が整うのを期待しつつ、気長に待つしかないのかもしれない。