東大ほか日本の有名大学もターゲットに
田久保真紀・伊東市長の学歴詐称疑惑をめぐっては東洋大学の「卒業証書」の真贋などが話題になった。実は今、中国人業者がこうした証書を偽造する裏ビジネスで暗躍しているという。中国に詳しいフリーライター・廣瀬大介氏が実態に迫った。
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〈卒業証書と成績証明書はセットで16万円、卒業証明書は別途8万円です〉(中国語の日本語訳)
これは日本の大学の卒業証書などの偽造ができると謳う中国系業者からのメッセージの一部である。
小紅書(中国版インスタグラム)では、数多くのアカウントで「〈卒業証書のオーダー〉」「〈卒業証書、学位記のオーダー〉」(中国語の日本語訳)などを謳う投稿が確認できる。こうしたアカウントの投稿には、米ハーバード大学やトロント大学など世界の名門大学の卒業証書や成績証明書などの写真が掲載されている。
中国国内の名門大学のみならず、欧米の名門大学の卒業証書まで精巧に偽造するという話に驚くかもしれないが、中国国内では20年以上前からこうした問題が確認されてきた。
最近では日本の有名大学もターゲットにされ、偽造証書に関する広告も増加している。小紅書では、「東京大学」や「京都大学」といった有名国立大のほか「早稲田大学」「慶応義塾大学」などの私大まで数多くの偽造卒業証書の広告が確認できる。なかには、今話題の「東洋大学」の偽造卒業証書を宣伝する広告もあった。