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キャリア
総合型選抜の敗因分析

「私は総合型選抜に向いてなかった」慶應・上智を目指した女子受験生、探究学習やスピーチコンテストの実績十分だったのになぜ不合格だったのか? 後で気付いた“本当の敗因”

推薦入試のための対策も必要になっている(イメージ)

推薦入試のための対策も必要になっている(イメージ)

 総合型選抜をはじめとした推薦入試が大学受験の主流となっている。そうした入試では面接での“プレゼン能力”が一つの決め手になると考える人もいるかもしれない。帰国子女でプレゼンにも自信を持っていたある女子学生は、実際に総合型選抜を受験して不合格となり、結局一般入試で別の大学に合格したが、彼女は不合格の敗因をどうみていたのか。『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』が好調で重版も決定した受験ジャーナリスト・杉浦由美子氏が学生に取材し、レポートする。【総合型選抜の敗因分析・前後編の後編】

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 * * *
 前編記事では総合型選抜の面接で「立て板に水のようだ。素晴らしい話しぶりだった」と言われたのに、不合格となったAさんの体験について書いた。Aさんは「面接で褒められたから合格だ」と期待したが実際には残念な結果だった。

 一般選抜で入学した大学で、授業でプレゼンをした時のことだ。Aさんは私立中学に通っていた頃から人前で話す機会が多く、プレゼンの訓練を受けていた。元々、よく通る声を持ち、滑舌もいい。先天的に話すことに向いていて、そこにトレーニングが加わったため、それは素晴らしいプレゼン能力が花開いている。そのため、大学の授業でプレゼンを終えると、その場にいた同級生たちの拍手喝采が教室に鳴り響いた。すると、教授がこういった。

「君のプレゼンは素晴らしいね。立て板の水のようだ」

 その授業が終わった後、友達が怒った口調でこう声をかけてきた。

「“立て板に水”ってひどくない?あの先生はちょっと意地悪ね」

 その時、Aさんは「立て板に水」という言葉がネガティブな意味を含むと気づいた。それからスマートフォンで検索をした。

「舌がよく回るけれど、君の話には内容がない、というニュアンスで使われることもある言葉なんですね」

「立て板に水」という言葉を辞書で調べると、類義語として「舌が回る」と出てくる。「舌が回る」という言葉は、ネガティブなニュアンスで使われることも多いだろう。「舌が回る」を検索すると「口先だけで中身がない」「軽薄な印象を与える」といった意味が出てくる。

「立て板に水」も同様ではないだろうか。今まで私は膨大な数の人々を取材してきた。取材を受けるような立場の人たちは非常に話をするのがうまい。しかし、相手に対して「立て板に水のようにお話しされますね」と言ったことはない。そんなことを言ったら相手に失礼になり、「出禁」になってしまいそうだ。

 総合型選抜の面接試験でも、大学でのプレゼンでも「立て板に水のようだ」と言われたらそれは「しゃべるのうまいね、でも、君の話には中身がない」というニュアンスを遠回しに言ったと推測できよう。

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