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難関大「2025年現役進学」高校ランキング

京大、北大、東北大、九州大…「地方の旧帝大」に首都圏出身の進学者が急増しているのはなぜか? 広がる首都圏と地方の学歴格差の実態

地方国公立大の医学部で顕在化した問題

 私立大学の医学部6年間の学費は平均で約3200万円とされるが、国公立大医学部の6年間の学費は350万〜400万円前後と桁違いに安く抑えられる。近年の物価高もあり、旧帝大をはじめとする国公立大の医学部に、首都圏の学力優秀層が集まる傾向にも拍車がかかっているようだ。

「東日本のある国公立大医学部では、半数くらいが関東出身者で占められるようになっています。首都圏から進学しても、その地域に残ればいいのですが、東京の医療機関などへ就職活動して戻ってきてしまう人が多いので、地域医療に貢献しない。地方の医師不足も解消しない。だから、地方の国公立大医学部は、『首都圏勢が医師免許を取得するための教習所』と揶揄されています」(同前)

 その状況を改善するために、私立・国公立を問わず、導入されているのが医学部の「地域枠入試」だ。受験生の「出身地」や「卒業後の勤務地」などの条件を設け、卒業後の一定期間、特定の地域の医療機関での就業を義務づけている。制約がある分、合格難易度が下がり、その地域出身の受験生が入りやすくなる。入学定員を地域枠に奪われるため、首都圏から地方大医学部を目指す層には評判が悪いかもしれないが、地方の「医師不足」や「偏在」に対処するため2008年から導入されている。

 もちろん、どこの大学で学び、どこに就職するかは、本人の自由である。ただ、国公立大学には立地する地域において人材育成を図り、地域の社会、文化、産業、経済などに貢献する役割が期待されているのもまた事実。他の学部でも医学部の「地域枠」のような措置を講じる必要が、今後、生まれてくるかもしれない。

 では2025年度、首都圏の高校などから旧帝大ほか難関国立大に進学した生徒数は実際にどうだったのか。関連記事《【関東ベスト102校】2025年高校別「難関国立大9校への現役進学者数」ランキング 東京・神奈川では公立vs私立の競争激化、千葉・埼玉では「公立トップ」が逆転も》などでは、東大・京大をはじめとする旧帝大7校に東京科学大、一橋大を加えた難関国立大への2025年の現役進学実績を、エリア別・高校別にランキング。全国の進学校から「何人が」「どの大学に」進学したかを可視化し、検証している。

取材・文/清水典之(フリーライター)

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