【4】有価証券報告書(有報)
年に一度提出が義務づけられている、企業の詳細な報告書です。事業の内容、従業員数、設備投資、保有株式の状況など、多くの情報がぎっしり詰まっています。
【使い方のポイント】
他の資料にない詳細情報が多く、じっくり企業を分析したい時に便利です。とくに「受注残高」や「保有株式の状況」など、丁寧に抑えておくと、大きな投資チャンスをつかむことも。
【5】月次報告書
特に小売や外食などの企業が毎月出す、売上や客数などの速報値です。数字が早く出るので、業績の「今」を知ることができます。発表翌日に株価が動くことも多く、見逃せない資料です。
【使い方のポイント】
既存店の数字が伸びているか、伸び率は鈍化していないか。また、客単価と客数の変化にも注目です。
【6】統合報告書
財務データだけでなく、企業の社会的責任や環境対策、ガバナンス(企業統治)なども含めた総合的なレポートです。その企業を一から知るのにもっとも適した資料で、企業の「人となり」が見えてきます。
【使い方のポイント】
その企業へ長期投資を考えている人におすすめ。企業の価値観やビジョンが伝わってきます。決算資料を読むのは難しそうに思えるかもしれませんが、ポイントを押さえればとても役立つツールになります。最初は「決算短信」と「決算説明資料」から慣れていき、気になる企業の中期計画や月次データもチェックしてみましょう。自分の目で情報を読み取る力がつけば、投資の判断もぐっと確かなものになります。
今回のまとめ
・IR資料は会社のことを知る手がかり
・決算短信と決算説明資料はまずチェック
・中計や統合報告書も見ておくと安心
【プロフィール】
藤川里絵(ふじかわ・りえ)/個人投資家・株式投資講師・CFPファイナンシャルプランナー。2010年より株式投資をはじめ、主に四季報を使った投資方法で、5年で自己資金を10倍に増やす。普通の人が趣味として楽しめる株式投資を広めるため活動し、DMMオンラインサロン「藤川里絵の楽しい投資生活」を主宰。本稿の関連動画がYouTubeにて公開中。
個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さん