「年初来安値」付近に指値を入れる
桐谷氏は「株が安くなったら買う、高い時は見ているだけ」というルールで優待株の買いのタイミングをとらえていると話す。
「私は買いたいと思う優待株がある時は、安くなるまで待ちます。たとえば、平日の15時頃からパソコンで証券会社の取引サイトにアクセスし、年初来安値銘柄一覧を見ます。その日に年初来安値をつけた銘柄のなかから、自分がまだ持っていない優待株、優待がなくても割安でいい銘柄と思った株を買ったりします。
私の経験上、年初来安値の株を買っておくと、さらに株価が下がることもありますが、だいたい年初来安値の付近が底で、反発していくことが多いですね。基本的には、年初来安値付近に指値を入れて買うようにしています。ただ、常に今の株価より安く買うことにこだわると、買えないことも多いので、年初来安値の1円高い水準に指値を入れておりたり、『この株は今買ってもいい』と思ったら年初来安値より10円上がっているタイミングでも買います」
「頭と尻尾はくれてやれ」という投資格言もあるが、桐谷氏は「買った後に反発していけば、私はそれで十分。たとえば1年前にその株を買った人から見て“非常に安い”水準であれば、底を待たずに買う。その判断は人それぞれと思います」と語る。
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【プロフィール】
桐谷広人(きりたに・ひろと)/1949年生まれ、広島県出身。個人投資家。現役プロ棋士時代の1984年から株式投資を始め、「財テク棋士」と呼ばれる。バブル崩壊、ライブドア・ショック、サブプライム・ショック、リーマン・ショックと様々な相場も経験。優待投資家として注目を集め、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)などテレビ出演で全国的に大人気に。現在、優待と配当で賄う生活を楽しみながら、各種メディア、講演などで活躍中。株式投資で築いた資産は2025年時点で約6億円。
取材・文/上田千春