AI社長は立場にしがみつかない
「とはいえ、この人、5月の市長選挙では無所属の新人ながら1782票差をつけて現職を破ったんだよな」と、どうにか胸をなで下ろしていたところで、「市長を辞める」をやめて市長職に留まることを表明した! まさかの会見をガン見したって。
「今後、市民の皆さまとの大きなお約束、私の公約であります新図書館建設計画の中止、そして伊豆原メガソーラー計画の白紙撤回という、これはもう私に与えられた使命」って、要は伊東市民のために市長で居続ける、とこうよ。「道のりは大変厳しく、茨の道であることは充分承知しております」って、おいおい。いつから悲劇のヒロインになったんですかい。それより議会が決死の覚悟で開いた百条委員会には「どんなことを聞かれるかわからない」とブッチ。いやいや、話は簡単なんだって。最初のボタンの掛け違いの学歴のこと、スッキリさせようよ、ね!
なんてスマホ画面に向かって言っていたら、おっと~っ。
三井住友フィナンシャルグループでは、中島達社長の発言を学習させた生成AI(人工知能)を7月から本格導入したと発表したというではないの。
AIだから若手社員はリアルな上司に聞きづらいことでも、AI社長には相談しやすいって、よく考えているわよね。このAIは中島社長の経営会議など社内外での発言を基にできているんだって。
田久保市長の“上から目線、玉虫色の返答”に浸っていたせいか、「AI社長」の登場に目が洗われるよう。だってAIは立場にしがみつかないもの。こちらが聞きたいことだけを端的に教えてくれるもの。
実は、ユーチューブ好きな私は、知らず知らずのうちにAIの番組をよく見るようになっていたのよね。最初は「ん? なんでこんなに平べったい言葉で話すんだ?」と不思議だったけれど、「少しの間」を「すこしのま」と読んだりするから「ああ、そうか、AIか」とわかって、その平たさがだんだん心地よくなってきたんだわ。
あ、でも突然、NHKの番組を装って、ニセモノのホリエモンとNHKの女子アナが視聴者に投資を進めるAIサギ番組もあるから要注意だけどね。
【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
※女性セブン2025年9月4日号