さすがに共生バンクの柳瀬は回答に困ったようだ。そこで頼った相手が、あの今井健仁だったという。先頃、広島5区の自民党支部長として、来る衆院選の出馬を狙ってきたあの弁護士である。小誌『週刊ポスト』2025年6月27日・7月4日号でその詳細【※】を報じたばかりだ(報道後に支部長を辞退)。
【※今年3月に衆院広島5区の自民党支部長に選出された今井健仁氏が、顧問弁護士兼取締役を務めていた不動産会社側から民事訴訟を起こされ、2022年と2024年に東京地裁から合計約8200万円の賠償命令を下されていたことを報じた。原告の不動産会社が買収を進めたエステ会社がその後に債務超過に陥り破産したが、民事訴訟では今井氏がその際に必要な調査を怠ったことなどの責任を問われた】
先の一覧表は、税理士資格を持つ今井が柳瀬から委託され、共生バンクの資産状況を調べてまとめたものとされ、今井の名前と捺印がある。
問題の資料の解説については次号に譲るが、そこには真っ先に〈成田PJ用地〉という項目が記されていた。土地の評価額は2500億円、2025年度には〈売却等〉と書かれている。今年2500億円で売る腹積もりだったのだろうか。
共生バンクは、まず投資家に対するこの先の配当原資について「グループで保有する合計600億円ほどの不動産の売却を進める」と言い、くだんの資料は「不動産特定共同事業の監督官庁向け説明の目的で作成され、提出された資料と思料されます」とその存在を半ば認めた上でこう答える。
「成田プロジェクトの土地の評価額は昨年の段階では5000億円で評価されております」
また資料の作成者と目される今井は、本原稿の締め切りの期日までに回答しなかった。くだんの資料が何を示し、どこに問題点があるのか。そして、共生バンクの事業のなかでどう利用されたのか。(以下次号)
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【プロフィール】
森功(もり・いさお)/ノンフィクション作家。1961年福岡県生まれ。岡山大学文学部卒。新潮社勤務などを経て2003年よりフリーに。2018年、『悪だくみ ─「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で大宅壮一ノンフィクション大賞受賞。『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』、『菅義偉の正体』、『魔窟 知られざる「日大帝国」興亡の歴史』など著書多数。
※週刊ポスト2025年9月12日号