テンバガーに近いストックビジネス型
将来も右肩上がりの成長が続くことが期待できるビジネスモデルの典型パターンのひとつが、ストック型のビジネスモデルです。ストック型とは、商品やサービスを売って終わりではなく、毎月あるいは毎年料金を払い続けてもらうことで、定期的かつ継続的に収益を得られるモデルをいいます。定額を払い続けることもあれば、従量制で使った分だけということもありますが、とにかく継続して課金していくことがポイントです。
最もわかりやすいのは、不動産賃貸かもしれません。毎月家賃収入が得られる大家さんは、保有している物件が増えるほどその収入は積み上がっていきます。身近なところで言えば、ネットフリックスなどの動画配信サービスやスポティファイなどの音楽配信サービスなども典型的なストックビジネスといえるでしょう。
ストック型のビジネスモデルであれば、既存の顧客の売上のうえに新規の顧客の売上がどんどん積み上がっていきます。解約が多いビジネスの場合はうまくいかないこともありますが、業者を乗り換えるハードルが高いビジネスや解約率が低いビジネスであるほど、売上と利益が右肩上がりに伸びていくことが期待でき、将来の業績も予想しやすくなります。
僕がテンバガーを達成したアズーム(3496)も、典型的なストック型ビジネスモデルだったことが、投資を決断した決め手になりました。
テンバガーに近い多店舗展開型
成長力が高いと考える2つ目のビジネスモデルが、多店舗展開型ビジネスです。これは店舗や支店などの営業拠点がどんどん増えていくことで、売上や利益が伸びていくタイプになります。人気の商品やサービスを提供する店を作り上げて、それをどんどん増やしていけばその店舗数に比例して売上や利益が伸びていくのはイメージしやすいモデルだと思います。必ずしも物理的な店舗を伴わないビジネスでも、営業エリアを拡大していればかまいません。
ただし、多店舗といってもいずれは限界がくるので、コンビニエンスストアチェーンのように多店舗展開をすでに実現してしまっているフェーズでは、株価数倍は難しくなります。
たとえば、アズーム(3496)の場合、僕が投資をした時点では大都市圏を中心に拡大している状況で、将来的には地方の中核都市にも展開していく余地があるという点で、伸びしろを感じました。多くのファンを持ちながら店舗を増やし、まさに多店舗展開を始めたばかりというフェーズが、最も売上や株価が成長する伸びしろが高くなります。
意外なところでは、老健施設や介護施設、保険の販売などでもこうした店舗を増やしている企業もあります。たとえば、首都圏と近畿圏で介護付き有料老人ホームを展開するチャーム・ケア・コーポレーション(6062)も、テンバガー銘柄として知られています。