「Rokid」をはじめ中国企業が続々参入(Getty Images)
中国経済に精通する中国株投資の第一人者・田代尚機氏のプレミアム連載「チャイナ・リサーチ」。AI化の導入ツールとして注目を集めるスマートグラス市場の拡大についてレポートする。
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アップル・スマートフォンの新モデル「iPhone17」シリーズが9月19日、発売開始となった。薄くて軽量のiPhone Airを新たにラインナップに加えたり、全モデルがeSIM専用となったり、毎年恒例ではあるがチップ、カメラ、バッテリー性能でのレベルアップが見受けられた。しかし、かつてのようなモバイル端末登場による数々のインパクト(情報アクセスの進化、商品やサービスのデジタル化、SNS、電子決済の普及など)はひとまず収束している印象だ。強力なハードウェアが搭載されているとはいえ、写真、動画撮影に興味のないユーザーにとっては変化の感じにくいレベルアップだろう。
注目のAI化であるが、「Apple Intelligence」ではライブ翻訳、ビジュアルインテリジェンス(写真などの文字起こし)などで機能が付加されたようだが、驚くような進化があったわけではない。
スマートフォン市場は成熟化が進んでおり、差別化が困難、価格競争も厳しくなってきた。今後、AIが急速に進化すると予想されるが、その過程でスマートフォンはスマートグラス(ARグラスを含む)に取って代わられる可能性が高いのではないか。
スマートグラスは音声や手の動きを使ってハンズフリーで操作できる。また、通話、メールはもちろんだが、実際に目で見ている物体、風景を撮影したり、AIに認識させて情報を提示したり、翻訳したりすることができる。ファッション性の高い製品を作ることができるといった魅力もある。