優勝プラス「90周年シーズン」の追い風
在阪球団の元編成担当者は「査定担当が細かくチェックしており、タイトルを獲るとチームに貢献しているため当然査定は高くなる。それに加えてボーナスとして500万~1000万円のタイトル料として上積みがあるのが一般的。複数のタイトル獲得や話題になるような記録更新となれば大幅アップもある」と言うが、「観客動員数に直結するチームの成績が大きく影響する」と付け加えた。
「巨人の岡本和真が2021年に本塁打王と打点王の二冠に輝いた時は、2億1000万円から9000万円アップの3億円に留まった。チームは3位に終わり、CSはファイナルまでコマを進めたがヤクルトに1勝もできなかった。
一方、2024年の岡本は打率.280(10位)、27本塁打(2位)、83打点(2位)と無冠だったが、全試合に4番で出場してリーグ優勝をすると、球団創設90年という追い風もあって1億2000万円アップの5億4000万円が提示されている」
リーグ優勝を果たした阪神も、今季は球団創設90周年のメモリアルシーズン。二冠の佐藤輝明にはプラス要因となる。2億円の大台を突破するのは確実だろうが、どこまで上がるかはチーム事情も加味して判断されそうだ。
阪神の最高年俸は国内FA権を取得して動向が注目される近本光司の3億7000万円、それに続くのが昨年オフにFA宣言して5年17億円(年俸3億4000万円)で契約した大山悠輔だ。佐藤輝明は西勇輝(同3億円)、ゲラ(同3億円)、ビーズリー(同2億4000万円)、岩崎優(同2億円)、梅野隆太郎(同1億6000万円)に続く8番目となる。
「139試合にフル出場し、ハエヌキとして40年ぶりの40本と打点を100の大台に乗せたのは大きい。ただ、このオフは近本の引き留めに6年総額40億円が必要とされるし、最多勝、最高勝率、最多奪三振の投手三冠の村上頌樹(同8000万円)や50試合連続無失点、49イニング連続無失点の石井大智(同8200万円)も大幅アップとなる。佐藤が3億超えを目指すためには、CSと日本シリーズでの活躍が不可欠でしょう」(阪神担当記者)
プロ5年目の阪神の若き主砲は3億円の大台に乗せることができるのだろうか。