あなたにはリボ払いの意思はなかったので、何らかの誤解や間違いがあったのでしょう。本来なら不必要な手数料を支払うリボ払い選択は、真意に反する重大な錯誤です。民法95条1項では、重大な錯誤があれば契約を取り消せます。カード契約の支払い方法に関する部分を取り消しても、カード利用契約自体を生かすことができますから、リボ払い条件を取り消し、支払った手数料の返還請求をすることも検討できます。
とはいえ、通常はリボ払い選択について文書等で説明されているはずです。見落としてリボ払いを選択したことは重大な過失になり、同条3項により契約の取り消しは認められません。
しかし、ネットによる申し込みの場合は、電子消費者契約特例法の適用があり、うっかりクリックした場合などは3項の適用がないとされています。ただし、業者が消費者のクリック送信前にもう一度、画面上で、最終意思の確認を求めるなどの措置を講じていれば、もはや錯誤取り消しの主張はできません。
カード会社に対して申し込み時の記録を照会し、申し込み内容を確認したり、ネット申し込みなら画面でリボ払い選択の最終意思の念押しをしているか調べてください。疑問に思われる点があれば、消費者センターなどに相談することをおすすめします。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2025年11月6日号