コストプッシュインフレは、企業にも家計にも負担が大きい
では、今の日本はどちらのインフレが起きているのでしょうか?
高市首相の言うとおり、今の日本は主にコストプッシュ型のインフレです。エネルギー価格の上昇や円安など、海外の影響で企業のコストが上がっていることが主な原因です。このコストプッシュインフレは、企業にも家計にも負担が大きいという特徴があります。なぜなら、モノの値段は上がるのに、給料があまり増えないと、私たちの生活はむしろ苦しくなるからです。
一方、ディマンドプル型のインフレは、給料アップや雇用増加といった「良い景気」とセットで起きやすいため、経済にとってポジティブな面もあります。
インフレというと「物価が上がる=悪いこと」と考えがちですが、大事なのはなぜ物価が上がっているのかという「中身」です。その違いを知ることで、ニュースの見え方も、政治や経済への関心も少し変わってくるかもしれません。高市首相は、コストプッシュインフレの解消を強く主張しています。具体的にどのような対策を打ってくるのか、期待されるところです。
今回のまとめ
・インフレにはコストプッシュ型とディマンドプル型がある
・現在の日本は主にコスト上昇によるコストプッシュ型インフレ
・物価上昇の原因によって家計や経済への影響が異なる
【プロフィール】
藤川里絵(ふじかわ・りえ)/個人投資家・株式投資講師・CFPファイナンシャルプランナー。2010年より株式投資をはじめ、主に四季報を使った投資方法で、5年で自己資金を10倍に増やす。普通の人が趣味として楽しめる株式投資を広めるため活動し、DMMオンラインサロン「藤川里絵の楽しい投資生活」を主宰。本稿の関連動画がYouTubeにて公開中。
個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さん
