暴落リスクを常に念頭に置くことが株式投資で成功するカギ(イメージ)
日経平均株価は5万円を突破して最高値圏での推移が続いている。そうしたなかで個人投資家は、どのような銘柄を選んでいけばいいのか、株式投資で億超えの資産を築いた“億り人”に聞いた。
今回、話を聞いた資産2.2億円の個人投資家・satoさん(42)は「僕は市場の賑わいとは距離を置いていますし、チャートが急上昇している注目銘柄などにも関心がありません」と冷静に語る。
satoさんは消防署のレスキュー隊員だった2013年、資金95万円を元手に「なんとなく」株式投資を始めた。最初の1年間はデイトレーダー的に活動し、じきに東証2部などから東証1部(当時の区分)への昇格が見込まれる銘柄に先んじて投資するグロース投資を始めて2年半で資産1500万円に。その後、業績よりも本来の実力、資産など企業の本質的な価値に着目するバリュー投資に転換し、2023年に億り人となった。2024年にはFIRE(経済的自立と早期リタイア)を果たしている。
急上昇している銘柄には興味がありません
最高値圏で推移する日本の株式市場について、satoさんはこう話す。
「僕は常々自分に『市場の動きに鈍感であれ』と言い聞かせています。市場が上昇を続けている時も、下降を続けている時もです。もちろん日経平均などの数字は毎日見ています。しかし“上がったな”“下がったな”と確認するだけで、急上昇している銘柄、いわゆる“高市(早苗)銘柄”など、皆が注目している銘柄の値動きには興味がありません。
書店では『短期間で資産1億円突破!』『1年で資産が何倍!』といった景気の良い煽り文句が躍った個人投資家による本が並び、Xにも同じようなポストが流れてきますが、それにも関心がありません。僕はそれよりも、ウォーレン・バフェット、その側近だったチャーリー・マンガーなどといった著名投資家について書かれた投資哲学に関する本を読み、投資の本質を学ぶことを大切にしています」(以下「」内はsatoさんのコメント)
