不動産投資で成功した人は、どうやって融資を引き出したのか(イメージ)
不動産投資で大きな資産を築いた投資家は、どのようにしてその道のりを歩んできたのか。当然ながら重要になるのは、「優良物件をいかにして見つけるか」だが、現金で買える人は別にして、どんな優良物件でも金融機関から融資を受けられなければ購入することはできない。しかも不動産投資のために融資を引き出すのはハードルが高いという。
『元証券ウーマンが不動産投資で7億円』(ダイヤモンド社)の著者である不動産投資家の八木エミリーさんは、250万円を元手に20代で投資を始めてわずか10年で9億円の資産を築いた。
不動産投資を始めたきっかけは、10年ほど前に家族との思い出の地元老舗ホテルが経営不振で売りに出されたと聞いたことだった。地域の再生という壮大なビジョンを掲げ、「30歳までに資産10億円、40歳までに資産100億円」を目標に不動産投資を始めたという。現在6棟の集合住宅・ビルを所有する八木さんが、金融機関の融資審査をスムーズに通るための心得とノウハウを語った。
金融機関の融資を受けやすい人
「融資を引き出しやすい人とは、ひと言で言ってしまえば、“いい会社に勤めていて、お金を持ってる人”です。経営者で年収1000万円の人よりも、役所や大企業に勤めている年収500万円のサラリーマンのほうが、融資の審査を通りやすいのです。自己資金は多ければ多いほどいいですし、担保価値の高い不動産を持っていれば、なおよいです。弁護士や医師など“士業・師業”も、大企業のサラリーマンより金融機関の与信枠が大きいのですが、おかしな物件を購入して苦労する人も少なくありません。
実際に『どうすればいいでしょうか』と相談を受けることがありますが、簡単に融資を受けられる人は物件選びが甘くなる傾向があり、不動産業者の“カモ”にされている場合があります」(以下「」内は八木さんのコメント)
融資の受けやすさは、職業や年齢、年収、勤続年数、性別、保有資産など、さまざまな要因で差が出てくるが、自身の経験から「若い女性」という区分は、融資を引き出すうえでかなり不利だと痛感しているという。
「個人で融資を受けられるのは最大で年収の10倍程度とされていますが、若い女性の場合はそうはいきません。若い女性は結婚や出産で仕事を辞めて収入が途絶えるケースがあると金融機関は考えるため、融資担当者は『結婚や出産のご予定はありますか』といったプライベートなことまで平気で聞いてきます」
女性であることにより不利な条件を抱えながら、資産を9億円にまで膨らませた八木さんだけに、融資を引き出すさまざまな工夫を重ねてきた。「できることはさまざまある」と話す。
