入店時もプライバシーへの配慮がされているアデランスの眉毛サロン
テストを始めると需要がリアルな実績に
そもそも、アデランスの本業は「毛髪」事業だ。本業とは異なる事業に乗り出すきっかけは、その企業理念にあった。サービス開発の旗振り役となったアイブロウ室長・岸富士雄さんが振り返る。
「体にまつわるさまざまなお悩みを調査するなかで多かったのが、特に女性の“眉毛”の悩みでした。“なんとなくそのまま”だという人が多く、“描き方がわからない”“似合っているかわからない”など、迷いがあるというお声をたくさん拝見しました。弊社が掲げる思いの第一は、“お客様を笑顔にしたい”というものです。眉毛にも悩みがあるなら、それを解消してさし上げられないだろうか、という思いが事業立ち上げのきっかけです」
岸さんは“需要がある”と踏んだものの、当初、社内の反応は「イマイチ」だったという。
「理解はなかなか得られませんでしたね。眉毛は、お店で手入れしてもらうほど悩みがあるものなのだろうかというイメージも強いようで、大丈夫なのかっていう感じで(笑)」
ただ、もともと同社は毛髪というパーソナルでセンシティブな悩みに寄り添うため、全店舗に個室を備えていた。物的な初期投資が多くなかったのは新規サービス開発のハードルを上げすぎず、既存店舗でテストを始めると、需要がリアルな実績となってあらわれたという。
「テストサービスを始めると、ご利用者様の数が実績として現れました。そこでよりサービスをブラッシュアップし、専任のスタッフを配置したうえで、新宿に1号店をオープンしました」
その後サービスが本格化するのは、図らずもコロナ禍だった。CSR広報室の中原梢さんによれば、マスクの着用で目元のケアを気にする人が増えたほか、リモート会議の画面で自分の顔が映る機会も増えるなど、マスク生活で眉毛が気になるようになった人が来店するようになったという。
後編記事では、男性記者が同社の眉毛サロンを利用してみた感想とともに、アデランスならではの強みについてレポートしている。
■後編記事:「こんなに変わるのか…」30代男性記者が初めての眉毛サロンを利用して驚いた施術後の変化 アデランスが長年培った「カウンセリング力」は眉毛にも応用されていた
