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CD売上ランキングの集計ルール変更、「握手会」効果はどうなる?

それでも握手会効果は絶大

 そもそも販促イベントには、単純に売上を増やすということとともに、オリコンランキングを上げるという目的があったことは否定できないだろう。発売日前であっても「予約会」としてイベントを行うケースも多い。

「予約会の場合は、ファンはその場で全額を支払ったうえで、握手会に参加します。予約したCDは発売後に店舗に受け取りに行くか、郵送してもらうかということになります。ただ、何枚も同じCDを購入するファンにしてみれば、握手こそが目的でCDそのものは要らないというケースもあります。だから、お金を払ってCDを予約しても、現物は取りに行かないというファンもいるんですよ。つまり、売上枚数に対して、実際に市場に出回っているCDの数が少ないというケースも珍しくないわけです。オリコンとしては、こういった状況を問題視していたのではないでしょうか」(同前)

 それでもランキングに対する握手会の効果はまだまだ強いという。

「AKB48グループや乃木坂46などはCDの購入特典として“個別握手会”というものを開催しています。これは、握手をするメンバーとあらかじめ選ぶことができる握手会で、専用の通販サイトから購入します。この個別握手会こそが一番人気がある販促イベントで、売上枚数も多いのですが、実は個別握手会の売上枚数は基本的に集計されているのではないでしょうか。AKBグループのオリコンでの売上枚数も新ルール採用前後で大きく変化していませんね。

 もしもこの個別握手会に対する集計ルールを変更すれば、売上枚数は劇的に減少してしまうかもしれません。そういう意味では、今なお握手会の効果は絶大だといえるでしょう。それが是か非かということではなく、現在の音楽ビジネスがそういう形になっているということなんだと思います」(同前)

 CDの売上枚数というデータはヒットの指標のひとつではあるが、それがすべてであるとは言い難いのも事実。CDが売れなくなったこの時代、「ヒット」のあり方について、今一度考え直す必要があるのかもしれない。

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