家族に頼らず、自分ひとりでも暮らせるだけの資産をつくることが肝要(イメージ)
厚労省の「国民生活基礎調査」(2024年)では、55.8%もの高齢者が「生活が苦しい」と答えた。女性が“老後貧乏”にならないためには、夫や子供をあてにせず自分ひとりでも暮らせるだけの資産をつくっておくのがいちばん安心。何があっても、誰も頼らなくても生きていけるようになれば、何も怖くないはずだ。【女性のための「自分資産」の作り方・第1回】
子育ても終わって夫も定年退職、あとは夫婦ふたりでセカンドライフを送るだけ──しかし、老後資金不足が不安視されるいま、誰もが最期まで夫婦仲よく、悠々自適に暮らせるとは限らない。事故や病気で夫に先立たれたり、熟年離婚することになったりと、老後を自分ひとりで暮らさなければならなくなる可能性もある。
はたまた、現時点で「おひとりさま老後」を覚悟している人もいるだろう。ひとりになったとき、先立つものが年金や夫の遺産だけでは心もとないし、子供のお金を頼るわけにもいかない。夫も子供もあてにせず、「老後貧乏」にもならないためには、「自分だけの老後資産」をつくっておかなければならない。
まず必要なのは、老後のための「自分資産」はいくら必要なのか知ることだ。
『ひとりで自分資産はつくれる 52歳からお金を貯める・増やす』の著者で社会保険労務士の井戸美枝さんが説明する。
「現在の自分の収入から支出を引き、年間の赤字が出たら、それに『残り何年生きることになりそうか』をかける。そのほか、もしもの医療や介護のための費用として、1000万円を確保するのが理想です。総額2000万円近い金額になるはずですが、一気に大金を用意しなければならないわけではなく、あくまでも合計金額。何年もかけてコツコツと、貯めながら使っていけばいいのです」
