現在、キャッシング利息の利率は制限利率の範囲内だと思います。しかし消費者ローンが社会問題になって、2010年に利息制限法が改正される以前の貸金がいまなお問題になっているのです。
以前は、消費者金融など多くの業者が制限超過利率で貸し付けていました。現在は利息が制限利率の範囲内になったキャッシングでも、昔のカードや契約をそのまま続けてキャッシングを繰り返した場合には、高利時代に発生していた過払い金を引き継いで取引をしていたことになります。
そこで引き直し計算により、現在のローン残高を減額させたり、完済後の過払い金の返還を請求することができるのです。あなたは過去にキャッシングをして完済済みということですが、キャッシング開始当時の約定利率が制限利息を超過していれば、過払い金の可能性があり、その返還請求も可能です。
なお、キャッシングを完済して取引を止めたときから10年を経過すると、この請求権は時効で消滅してしまいます。キャッシングの資料を整理して弁護士会の法律相談を受けることをおすすめします。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2025年12月4日号