パチンコホールの来店イベントの集客率への影響は(イメージ)
街のパチンコホールに掲げられる「○○さん来店!」といったイベント告知のポスター。ただ、それを見て「この人は誰なのか?」「こんな人が来店して、お客さんは集まるのか?」などと疑問を感じたことがある人もいるのではないだろうか。実は、パチンコ・パチスロの世界では、テレビなどで活躍する有名タレントより、パチンコ・パチスロユーザーのなかでこそ知られている“演者”の方が、高い集客力を持っていることは珍しくない。パチンコホールでの来店イベントの裏側に迫る。【前後編の前編】
株式会社矢野経済研究所は11月17日、2024年のパチンコホールの広告宣伝市場に関する調査の結果を発表した。パチンコホール経営企業が行う広告宣伝(テレビ・ラジオでのCM、ウェブ広告、SNS広告、折込チラシ、DM、来店イベント、来店取材など)の市場規模は、839億円となり、前年から36億円(前年比4.5%増)の増加。そのうち、34.2%をウェブ広告が占め、さらに33.6%が「来店イベント・来店取材」だった。
この「来店イベント・来店取材」は、パチンコホール特有の宣伝広告の手法だ。「来店イベント」とは、パチンコ・パチスロライター、パチンコ・パチスロ系YouTube番組の出演者、インフルエンサー、タレントなどが、文字通りホールに来店するというイベント。一方「来店取材」とは、パチンコ・パチスロ専門誌やパチンコ・パチスロ系のウェブサイトなどによる取材のこと。ライターやYouTuberなどは来店せず、取材のみが行われることも多い。パチンコ・パチスロ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏が説明する。
「以前は、パチンコホールの来店イベントについてのルールが全国で統一されていなかったのですが、昨年2月にパチンコホール関連4団体(全日遊連、日遊協、MIRAI、余暇進)が発出した『広告宣伝ガイドライン(第2版)』によって、来店イベントの広告宣伝に関する全国共通ルールができました。これにきっかけに全国的に来店イベントを開催しやすくなり、実施するホールが増えています」(以下「」内同)
来店イベントは、基本的にパチンコ・パチスロライターやYouTuberが、そのホールで一般のユーザーとともに遊技を楽しむのが基本。サイン会や写真撮影などの時間を設けることもある。
「最近では“ライター”と言ってもYouTubeのパチンコ・パチスロ番組への出演をメインにしている人が増えており、“パチンコ・パチスロ動画に出演する人”として“演者”と呼ぶことが多いです。またホールの来店イベントで特徴的なのは、世間的に知名度の高い有名タレントよりも、パチンコ・パチスロユーザーに支持されている演者の方が、集客力が高いということです」
