子どもあるあるの「津軽半島と下北半島の混同」がなくなる
私の場合は、「歌」で覚えさせました。娘の好きな歌に「東京、上野、大宮、小山、うっつーのみや(宇都宮)」とリズムをつけて替え歌にして歌うのです。YouTubeを見ると、いろんな曲の動画があります。寝る前に1日1回──と思っていたら、娘は気に入って3回も4回も歌っていましたが、それを1週間くらい続けていたら、全駅覚えてしまいました。
覚え方は何でもいいと思います。鉄道好きの子なら、歌に乗せなくても覚えられるでしょう。新幹線駅名クイズのアプリやゲームもあります。最初は完全に覚えなくても構いません。どこにどんな駅があるか、ざくっと知ることがとても大切です。
なぜ新幹線の駅名が大切なのか。新幹線駅は、いうまでもなく各地の「大きな都市」「重要な都市」に設置されています。重要地名を一気に覚えることができるうえに、中学受験社会で大切な「川」などの地形、産業を学ぶ基本になりますし、のちに学ぶ歴史分野の基礎知識にもなります。地理分野をないがしろにしたまま歴史分野に突入すると、それこそ苦痛の丸暗記に近い状態になり地獄を見ます。
「地形」「産業」などと結びつく例です。例えば青森県の単元のとき、私はこう教えています。
・青森の先に、北海道新幹線の「奥津軽いまべつ」っていう駅があるよね!
・それは、青森県の左(西)の半島が「津軽半島」だからだよ。そこには「津軽平野」もあるよ! 右(東)の半島は「下北半島」っていうよ。
・「つがる」っていうリンゴの品種があるよね。青森はリンゴの産地であることは有名だけど、左のほうにある「岩木山」のふもとが、リンゴの一大産地なんだ。岩木山は「津軽富士」って呼ばれているんだね。アップルロードっていう道があるくらいなんだよ。
まず新幹線の駅名を覚えよう
──これで「駅名」と「津軽半島」「岩木山=津軽富士」という中学受験に必須の地形の知識、「リンゴ」という地域の重要産業が結びつきます。また、小学生の子どもあるあるの“下北半島との混同”がなくなります。
東北地方に馴染みのない方は「奥津軽いまべつ駅」についてほとんど知らないと思いますが(私も降りたことはありません)、新幹線の駅名がどれだけ重要な地名と結びついているか、わかると思います。
岩木山は「津軽富士」と呼ばれ、ふもとはリンゴ畑が広がる
スマホやパソコンをフル活用すると記憶が定着
ここでポイントなのは「写真」を子どもに見せることです。これが“昭和の中受”と“令和の中受”の攻略法で、もっとも違うところかもしれません。
私はいつもスマホやパソコンを横において、たとえば音声検索で「津軽 リンゴ畑 写真」としゃべって画像検索します。すると、たくさん画像が出てきます。たいていの写真で奥に写っている大きな山は、岩木山です。「津軽富士」と呼ばれるだけあって、独立峰(山脈などではなく、ひとつだけポツンとある山)で形も富士山と似ています。
写真を見ると、非常に子どもの印象に残ります。塾のテキストのモノクロ写真や地図、文字だけではわからない情報がネットの写真にはたくさんあるのです。
ついでにいえば、画像検索ですぐに出てくる写真の中には、リンゴの花が咲き乱れている写真もあります。リンゴの花は白っぽいピンクです。同じバラ科のさくらんぼの花(サクラの花)や桃の花と似ています。写真を使うと、理科にも結びつくんですね。
「奥津軽いまべつ」から、連想ゲームのように広げていくわけです。次回以降、この新幹線の駅名を中心に地形、産業や地域特性とつなげて学んでいく具体的な「連想ゲーム」をお伝えしていきます。
【プロフィール】
さんくす/2人の子どもを持つ40代パパ。長女はSAPIXを含む複数の塾に通わせ、いわゆる御三家に進学。次女が現在SAPIX通塾中。自身も中学受験の経験があり男子御三家出身だが「自身の経験は現在の受験ではあまり役に立たない」といい、“令和の中学受験テクニック”を研究しつづけている。

