年俸600万円ながら救援でも先発でも結果を残したロッテ・木村優人(時事通信フォト)
ソフトバンクの日本一で幕を閉じた今季のプロ野球。平均年俸12球団1位(6806万円)の球団が頂点に立ったわけだが、詳細に見ていくとソフトバンクや、セを制した阪神にも巨額年俸を手にしながらそれに見合う活躍ができなかった選手が数多くいた。給料に見合った働きをできているのか──。コスパの良かった投手・悪かった投手を調べてみた。
今季、一軍で登板した投手は361人だった。プロ野球を各種データで分析した『データ・ボール』の著書があるライター・広尾晃氏協力のもと、各選手の年俸と成績から“コストパフォーマンス”を算出してランキング化した。
「1アウトあたりの年俸」で比較(参考値で「1球あたりの年俸」を併記)したところ、ロッテ・美馬学(39)がワースト1位に。美馬は9月末の引退試合に打者1人限定で登板したという事情があるが、ランキングには来季もチームに残る投手が多く含まれる。
リーグ優勝した阪神では序盤に離脱した西勇輝(35)がワースト5位に入った。5年前の開幕投手だが、今季は1アウトあたり約2143万円もかかった計算になる。
「1球あたりのコスパで見ると約384万円でワースト2位です。ただ、西は2022年オフに年俸3億円(推定、以下同)の4年契約を結んでおり、来季も3億円の年俸を手にすることになります。2022年に37セーブを挙げてオフに年俸3億円の6年契約を結んだDeNA・山崎康晃(33)も、今季は15イニングの登板にとどまりワースト12位となりました」(広尾氏、以下同)
実績があるからこそ年俸が上がったわけだが、それに見合う働きを続けているかも問われるのがプロの世界だ。
今季から巨人に移籍した“マー君”こと田中将大(37)は年俸1億6000万円ながら3勝に終わった。ただ、1アウトあたり約118万円はワースト74位。これは日米通算200勝達成に向けて、巨人のV逸後に登板機会が増えた結果とも言えそうだ。6000万円ダウンの年俸1億円で現役続行となり、来季はどんな働きを見せるか。
