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《失敗しない相続》サブスク契約自体を知らないと「本人の死後も引き落としが続いてしまう」落とし穴 「デジタル遺産の情報こそアナログの形で残すべき」と専門家

デジタル遺産特有の落とし穴に注意(写真:イメージマート)

デジタル遺産特有の落とし穴に注意(写真:イメージマート)

 父や母が亡くなり、残されたお金や家を兄弟姉妹、親族が奪い合う──そんな「相続争い」は年々増加傾向にあり、最新の司法統計(2024年度)によれば、全国の家庭裁判所に持ち込まれた“相続争い”の件数(遺産分割事件数)は1万5379件にものぼる。

 裁判ほどの大ごとにはならずとも、相続におけるトラブルを経験したりモヤモヤした思いを抱えたりする人は多い。そして、それは決して遺産の大小にかかわるものではないのだ。

 その原因はひとえに相続「される側」、また「する側」双方の「準備不足」。亡くなる前にどんな財産がどれだけあるかを把握しなかったがために、後から借金やボロボロの不動産が出てきたり、反対に想定外の相続税がかかったりと、残された家族が損をするばかりか、それまで円満だった家族関係が壊れ、お金も家族も失ってしまうケースは少なくない。失うものをできるだけ少なく、失敗も後悔もない「相続」と「生前贈与」のために、やるべきことを知っておきたい。【失敗しない相続・生前贈与マニュアル・第1回】

「デジタル遺産」は「アナログ」で残す

 まず、何においても優先すべきは「情報整理」だ。財産総額や法定相続人を確認しないことには、“相続のスタートライン”に立つことすらできない。行政書士で相続・終活コンサルタントの明石久美さんが話す。

「“まだ若いから”と先延ばしにしている間に親が認知症を発症するなど、自分ではどうすることもできない事態に追い込まれてしまう人は少なくありません。まだ大丈夫と思えるうちに少しずつ始めましょう。

 銀行口座や生命保険はもちろん、特に落とし穴になりやすいのは『デジタル遺産』と『不動産』です」

次のページ:厄介な「デジタル遺産」
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