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ライフ

修学旅行で複数の学校の生徒が新幹線に相乗りする「団体臨時列車」は今も健在 1905年に日本旅行が高野山・伊勢神宮への団体旅行を企画してから120年、「列車による団体旅行」の歴史

修学旅行のための団体臨時列車は健在

 いっぽう修学旅行は、今も健在だ。全国修学旅行研究協会が発表した2023年度の「全国修学旅行実施状況調査」によると、公立高等学校・中学校の国内修学旅行における航空機利用校数・人数推移は、2004年度から2019年度までおおむね横ばいだ。2020年度からはコロナ禍の影響で減少したものの、その後は回復傾向にある。

 日本旅行によると、修学旅行のための団体臨時列車は今もある。複数の学校の生徒を新幹線に相乗りさせることが現在も続いているのだ。ただし、学校の場所や目的地によって利用状況が異なる。

 たとえば関東の中学校では、京都・奈良を目的地とする学校が多く、複数校の生徒を新幹線に相乗りさせている。関東地区公立中学校修学旅行委員会という団体があり、各学校の修学旅行の日程を集約し、JRと調整している。

 いっぽう、関東の高校は、近年沖縄・九州・北海道まで足を伸ばして航空機で移動するのが一般化している。新幹線を多用していた昭和の時代とは、状況が異なる。

 以上、団体旅行の120年の歴史を概観した。あらためて見ると、時代ごとに団体旅行のニーズや移動手段が変わってきたことがわかる。

【プロフィール】
川辺謙一(かわべ・けんいち)/交通技術ライター。1970年生まれ。東北大学工学部卒、東北大学大学院工学研究科修了。化学メーカーの工場・研究所勤務をへて独立。技術系出身の経歴と、絵や図を描く技能を生かし、高度化した技術を一般向けにわかりやすく翻訳・解説。著書多数。「川辺謙一ウェブサイト」も随時更新。

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