学生の納付金収入は2040年までに約3割減少する可能性も
ただ、先述したように2026年以降、進学率を上昇させることで多くの大学の経営を成り立たせるという手法は通用しなくなる。文科省は2035年の進学者数を59万人、2040年は46万人と推計しているが、大学2026年問題は18歳人口の減少に反して大学入学定員枠を増やし続けてきた文科省の“無理筋な政策”の行き詰まりを意味する。
私立大学の淘汰の可能性については、文科省の有識者会議「2040 年を見据えて社会とともに歩む私立大学の在り方検討会議」も認めている。
昨年12月に提示した提言書で、私立大学の主収入は学生の納付金であり、私立大学全体の収入が2040年までに約3割(約1兆円)減少する可能性に言及。「現在ある法人の全てが存続することはあり得ず、相当数の法人が縮小や撤退を余儀なくされることを覚悟しなければならない」と言い切っているのだ。
文科省は拡大路線から現実路線へと方針の大転換をはかりつつあったが、検討会議は私立大学の今後の在り方にも踏み込んだ。今回の提言書によって、いよいよ縮小に向けた動きが強まることとなるだろう。
■後編記事につづく:【私立大学サバイバル戦の号砲】猶予は5年、「生き残る大学」と「生き残れない大学」の選別に踏み込む文部科学省の思惑
【プロフィール】
河合雅司(かわい・まさし)/1963年、名古屋市生まれの作家・ジャーナリスト。人口減少対策総合研究所理事長、高知大学客員教授、大正大学客員教授、産経新聞社客員論説委員のほか、厚生労働省や人事院など政府の有識者会議委員も務める。中央大学卒業。ベストセラー『未来の年表』シリーズ(講談社現代新書)など著書多数。小学館新書『縮んで勝つ 人口減少日本の活路』が話題。