八角理事長は「結構なことじゃないですか」
11日目以降、横綱2人は三役以上と対戦することが濃厚でさらに金星が増える可能性は低いが、10日目までに2人が配給した金星は計6個に達した。
八角理事長(元横綱・北勝海)は金星乱発についての本誌記者の質問に対し、「下位の力士(平幕)が頑張っているということですから、結構なことじゃないですか」と話したが、平幕が横綱に勝って金星を獲得すると持ち給金が10円上がり、4000倍した4万円が褒賞金として本場所ごとに支払われる。つまり、相撲協会の出費は増えることになる。
金星を挙げた力士は関取でいる限り、年間24万円が引退するまで支払われることになる。2日連続金星の熱海富士と義ノ富士は一気に毎場所8万円、年間48万円もの“ベースアップ”を獲得したことになる。
さらに今場所、金星を挙げた力士が手にしたのは褒賞金だけではない。横綱戦に集中する懸賞金も手にした。初場所は15日間で合計3469本の懸賞の申し込みがあり、昨年秋場所の3018本を大きく上回って過去最多となった。協会関係者が言う。
「結び指定が最多の395本で、力士指定では大の里が375本、豊昇龍が267本と横綱戦に4割の懸賞が懸けられることになった」
横綱を倒した平幕力士は金星とともにどれぐらいの懸賞金を手にしたのだろうか。2日連続で金星を挙げた義ノ富士は4日目の豊昇龍戦に50本、5日目の大の里戦に61本の懸賞が掛かっており、2日間で111本(手取り6万円として666万円)を手にした。同じく2日連続で金星の熱海富士は9日目の豊昇龍戦の48本と大の里戦の53本の合計101本(同606万円)を獲得している。
中日に豊昇龍から金星を挙げた大栄翔は51本(同306万円)、大の里に勝った伯乃富士は49本(同294万円)を手にした。3つの金星で豊昇龍は149本(同894万円)、大の里は163本(同978万円)の懸賞を相手力士に手渡したことになる。裏を返せば平幕が横綱を倒すのは至難の業。それだけ価値があるということだが、まさに土俵にはカネが埋まっているのだ。
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