「国民年金の未納分」がないかもチェック(イメージ)
「年金」は、老後の暮らしの命綱。だが、この物価高において、「年金だけで生活できるのか」と不安を抱える人は多いだろう。たしかに、何も考えずただ受給するだけでは“大損”の可能性もある。年金の受給額を増やすにはどのような方法があるのか、専門家に話を聞いた。【60歳からの年金「もらい方・増やし方・使い方」・第2回】
国民の老後を支える年金。厚生労働省の発表によれば、4月以降の年金額は国民年金が1.9%、厚生年金が2%、前年度より引き上げられる。だが、これは実質的には“引き下げ”だという。「年金博士」こと社会保険労務士の北村庄吾さんが警鐘を鳴らす。
「公的年金の引き上げ率に対し、2025年の消費者物価指数(生鮮食品含む総合指数)の平均は前年比3.2%。つまり、物価高に年金額の引き上げ率が追いついていないのです。だからこそ、将来的な、またはいま受け取っている年金を『どうやって増やすか』を、真剣に考えるべきなのです」
「未納分を追加納入」なら受給額を増やせる
年金の受給額を増やす方法として絶対にチェックしてほしいのが「国民年金の未納分」の有無だ。
結婚や出産を機に退職して夫の扶養に入り、厚生年金の第3号被保険者になっているなら、夫が定年退職すると、妻も自動的に扶養から外れる。このとき、国民年金に切り替える手続きを忘れている人が意外に多い。『東大卒のファイナンシャル・プランナーが教える 届け出だけでもらえるお金大全』の著者でファイナンシャルプランナーの服部貞昭さんが解説する。
「切り替えを忘れていた間の未納分を追納(最長2年まで)することで、国民年金の受給額を増やすことができます。また、60才の時点で国民年金の加入期間が40年未満の場合は『任意加入』もできます」(服部さん・以下同)
自営業などで国民年金のみの加入なら、任意加入することで、さらに年金額を増やすために使える制度が増える。
その1つ目が「付加年金」。20才以降、いつでも加入できて月々の保険料に400円上乗せすると、200円×納付月数分が国民年金の年間受給額に上乗せされる。
「例えば、月400円の保険料を10年間払えば合計4万8000円。それを払うことにより上乗せされる年金額は1年で2万4000円、2年で4万8000円と、たった2年で元が取れるのです。10年間で受け取れる金額は24万円も増えます。続けるほどさらに増えていくので、払っておいて損はないでしょう」
2つ目が「国民年金基金」。付加年金との併用はできないが、年齢と掛け金によっては、付加年金よりも大きなプラスになる。
「例えば35才で条件を満たして国民年金基金に加入し、月々6万5000円の掛け金を25年間払い続けると、将来の年金額は月額10万円、年間120万円も上乗せされます」
一方、過去に厚生年金に加入していたことがある人にもプラスはある。
「『経過的加算』といって、〝若い頃に働いて厚生年金に加入していたが、結婚を機に退職し、60才を過ぎてまた働きだした〟という人などが対象で、年収にかかわらず、1年働くと約2.1万円が増えます」
