あるハロプロファンが買い集めた円盤の数々
サブスクを解禁しないアーティストたちの事情
一方で、いまなおサブスク未解禁のアーティストもいる。代表的な例は山下達郎、ザ・ブルーハーツ、ザ・ハイロウズ、ザ・クロマニヨンズ、マキシマム ザ ホルモン、SMAPなど。安室奈美恵の楽曲は、かつてサブスクで配信されていたこともあるが、現在は配信されていない。中島みゆきのように、一部のシングル曲のみサブスク解禁し、アルバムは未配信というアーティストもいる。サブスクを解禁しないのは、どういった事情があるのか。
理由としてまず挙げられるのが、アーティスト側のこだわりだ。CDやアナログレコードのジャケットや歌詞カードなども含めてひとつの作品として楽しんでほしいという思いから、サブスクに懐疑的なアーティストは少なくない。また、アルバムを1枚通して聴いてほしいからこそ、楽曲単位で楽しまれる傾向が強いサブスクを避けるケースもある。
さらに、楽曲の権利関係が複雑化しているがゆえに、サブスク解禁が難しい事情もある。特に解散したグループや引退したアーティストの場合、当時の所属事務所が消滅しているなどの理由で、権利が分散、結果的にサブスク解禁ができない状況が続くこともある。
そしてもうひとつ、“CDを販売する”というビジネスモデルを保ちたいがゆえに、サブスクを解禁しないという例もある。前出・大塚氏はこう話す。
「特にアイドルグループの場合、CDにさまざまな特典がつき、それを目当てに熱心なファンが同じCDを何枚も購入するというパターンがあります。このビジネスモデルが成立しているのであれば、サブスクを解禁する必要がないと判断されることがあってもおかしくはない。アーティスト側に入るサブスクの収益が決して大きいものではないということもあり、『このままでいい』と考えるケースもあるでしょう。また、サブスクを解禁して手軽に楽曲が聴けるようになると、CDの売上が落ちると懸念するケースもあると思います。
ただ、実際にはサブスクで手軽に楽曲を楽しむリスナーと特典目当てでCDをたくさん買うファンとは層が異なるので、両方を選択するアーティストの方が圧倒的に多い。CDとサブスクの共存は可能だとは思います」
