対面・訪問型からオンライン指導への流れもあるが(イメージ)
オンライン家庭教師サービス「メガスタ」や訪問型家庭教師「一橋セイシン会」の運営などを手掛ける株式会社バンザンが事業停止と破産申請を行った。大手の教育関係企業がこのような状況に陥った背景には何があるのか。『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』が話題のノンフィクションライター・杉浦由美子氏がレポートする。
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訪問型家庭教師派遣「一橋セイシン会」、オンライン家庭教師「メガスタ」を運営する株式会社バンザンが2月16日、自己破産を申請した。
塾の倒産は最近増えている。2025年の学習塾の倒産は55件(前年比3.7%増)となり、2006年以降での最多件数を3年連続で更新している。少子化に加え、物価高によるコスト増、講師確保の費用増などが原因だ。特に従業員5人未満の小規模塾の約9割が苦境だという。
しかし、バンザンは30年の歴史がある日本最大手の家庭教師紹介業者だ。資本金は約1億円。その大手が突然倒産するのだから全国の教育関係者のあいだに衝撃が走った。
この破産騒動に関しては、塾や予備校関係者たちも不思議そうに語る。
「家庭教師紹介の場合、教室を構えなくていい。ゆえに家賃や運営費用などのランニングコストは抑えられるはず。どうして倒産したのか」(学習塾関係者)
訪問型の家庭教師からオンライン指導へ
今回のバンザン破綻の報道で気になったのは、「債権者は児童・生徒約1800人を含め」(産経新聞、2026年2月16日配信)とあった点だ。数字を少なく書いている可能性もあるが、それにしても生徒の数が少なく感じる。登録している家庭教師は4万人ともいわれるが、稼働していた家庭教師は少なかったようだ。
ある会社員・Aさんは副業で家庭教師をおこなっており、土日などに依頼があるとオンラインで文系科目を教えているという。
「バンザンが運営するオンラインサービスの『メガスタ』にも登録して、少し仕事をしましたが、その後、依頼が来なくなったのでまったくコンタクトをとっていません。今回の報道で自分だけではなく、多くの家庭教師がそういう状態だったんだろうなと思いました」
バンザンには社員が約100人いると資料には書かれている。100人の社員に対して生徒1800人は少ないようにも思える。月間の授業料は約2万円から約8万円だった。
「訪問型の家庭教師の仕事は減っています。他人を家に上げることを嫌がる家庭が増えているのでしょう。共働き家庭だと家に子供だけのこともあり、そこに他人を入れるのは抵抗感があるようです。そういった事情からバンザンもオンライン指導中心に切り替えようとしていったのでは」(前出・Aさん)
