高齢者は資産があっても「使わない」
他人と比べることをやめる
支出のひとつに、「保険」という選択肢もある。ファイナンシャルプランナーの内山貴博さんが指摘する。
「やはり老後不安の大部分を占めるのが医療と介護なのは間違いありません。必要とされる額を貯めていたり医療制度を知っていても、解消されない人は多い。60才以降も、なんらかの医療保険に入っている人が少なくなく、加入しているかたの方がストレスなく生活している印象があります。
もちろん、日本は医療保障も社会保障も充実していますが、実際に入院したときにすぐに給付金がもらえるとか、手術費用がカバーできることが精神的な助けになるシーンもある。トータルでいえば、マイナスかもしれませんが、安価な掛け捨て保険にお守りとして入っておいて“結局損しちゃったね”といえる安心感はメンタル面に効果があるのではないでしょうか」(内山さん・以下同)
老後資金を上手に使うための極意はなにか。それは収入を増やすことでも、やりたいことリストを埋めていくことでもない。「人と比べるのをやめること」だ。
「ほかの人はどのくらい貯金があるんだろう、年金はどのくらいもらっているんだろう、なににお金を使っているんだろうなど他人と比較してもキリがありません。60才以降は自分の価値観や優先すべきことを大切にすることが重要です。これから先の10年、20年の人生に向き合い、自分らしさを追求してお金を使うことが、最期に後悔しないいちばんの方法だと思います」
子育てが終わり、仕事に一区切りがつき、そわそわする60才前後。だが、特別に構える必要はない。目の前の日々をたんたんと生きていくこと。それがなにより幸せな老後につながる。
(前編から読む)
※女性セブン2026年3月12日号
