自分というOSをアップデートする必要
これまでは言葉が障壁になり、日本はこうしたグローバルの競争から隔離されていたが、もはやそうも言ってはいられない。すでに述べたようにAIといったテクノロジーの進化は速く、オープンソース文化に押されて凄まじいスピードで成長している。一方で人間が何かを習得するスピードは昔も今も大差はない。映画『Limitless』や『Lucy』のように人間の脳のポテンシャルを解放する方法が登場すれば話は別だが、あまり期待はできない。
だからこそ、何をどう学ぶのかは、単にスキルを身につけるよりも大きな意味合いを持つ。古いOSを使っているスマートフォンに新しいアプリだけ加えていってもうまく作動しないことはよくある。それと同様に、スキルという最新のアプリを活用するには、まず自分というOSをアップデートする必要があるのだ。
デジタルツールのおかげで情報が民主化されたからこそ、こうしたツールを最大限に活用して、自分というOSのアップデートに役立つ学びを加速させることができる。
時代がどんなスキルを求めるかではなく、自分がどんなOSになりたいかを決め、そのためには何をどう学ぶ必要があるかを考えてみよう。それに合わせてツールを選び学習体験そのものをカスタムする。この学びのパーソナライゼーションが肝となる。
例えば、言語はスキルと捉えられがちだが、それは言語自体を学ぶことを目的とした場合だ。単に英語を訳したり書いたりすることだけならAIで事足りる。
しかし、英語圏という世界に触れる、暮らす、ビジネスをするとなると、それは五感を通した体験という一段深いレベルの学習となる。そこには、英語を使うことで全く違う世界にアクセスし、異なる価値観、思考方法、そしてそれらが形成する社会が一体どういったものかを理解することにつながる。それはどの言語でも同じことで、言語自体を覚えることよりも、言語の学び方を学ぶことや、その言語を使って違う世界を体感することの価値が大きい。