最期まで自宅で自分らしく生きるための準備とは(写真:イメージマート)
どこで最後の1年を過ごすか。それにより人生の満足度は大きく変わってくる。内閣府の調査(令和5年「高齢社会に関する意識調査」)によると、75歳以上の約半数が最期は自宅で迎えたいと望んでいる。しかし、現実には在宅死は15%程度にとどまり、約7割が病院で人生を終える。訪問診療専門医で心越クリニック理事長の岩間洋亮医師が指摘する。
「病院ではあれこれと制限されますが、自宅には自由がある。人によっては最期まで酒を飲みたい、タバコを吸いたい、好きな遊びをしたいと考える。住み慣れた家で家族に囲まれて暮らすというのは、自由の余地があるということです」
自宅で自分らしく生き切るためには、事前の備えが欠かせない。岩間医師が続ける。
「いざという時に家族が焦って救急車を呼んでしまうと搬送先の病院で亡くなることになります。大切なのは救急車ではなく『訪問医』を呼べる環境を整えておくこと。そのためには在宅医療の体制を構築しておく必要があります。
まずは各自治体の地域包括支援センターに相談するのがいいでしょう。訪問医と訪問看護師、ホームヘルパーによるケアプランを作っておくとスムーズです。配偶者や家族に手伝ってもらえば残り1年でも十分に間に合います。かかりつけ医に相談するのもひとつの手です」
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そもそも「残り1年」はどう判断するのか。
「老衰であればひとりで外出できない、食事や排泄、入浴に助けが必要になるようなら残り時間は1年ほどに限られていると判断します。もちろん病気により最後の3か月くらいでガクッと動けなくなるケースもありますが、どちらにせよ最期は意思の疎通が難しくなりやすい。その前に準備をしておくことが大切です」(同前)

