「理想と現実のギャップ」に苦しむケースも(イラスト:イメージマート)
昨今、「シニア再婚」が増加しているが、バラと色の結婚生活を送る人ばかりではない。なかには再婚をきっかけに数々の障害にぶつかる人もいるという。理想と現実のギャップはどこにあるのか。老い先短いからこそ気をつけた方がよいことについて、専門家がアドバイスする。
結婚翌年に大腸がんが発覚
厚労省の人口動態調査(2023年)によれば、全再婚件数における60代以上の割合は男性8.58%、女性5.25%と、過去5年間で最多を記録した。都内のある婚活相談所職員がこう話す。
「近年はシニア婚活専門の相談所の登録者が増加しており、婚活パーティも盛況です。70代、80代での再婚は珍しいものではなくなりました」
芸能界やスポーツ界でも70代の再婚がニュースになることが多く、細川たかしは73歳、故・橋幸夫は74歳、桂米助は76歳、前田吟は78歳で再婚して話題を呼んだ。熟年離婚の経験者や配偶者と死別した人が、残りの人生を共にする新たなパートナーを求めるのは自然なことだ。
だが、いざ再婚生活を始めると、求めていた理想と現実との落差に悩む人も少なくない。そのひとつが「介護」の問題だ。3年前に趣味のサークルで知り合った同い年の女性と再婚した60代男性・Bさん(神奈川県在住)は、結婚翌年に受けた人間ドックで大腸がんが発覚した。
「転移前のステージ2だったので手術で命は助かりましたが、人工肛門をつけることを余儀なくされました。闘病中は彼女の存在が支えになり、“この人がいてくれてよかった”と思いましたが、いまは生活に大きな支障がないとはいえ、負担をかけてしまうこともあり、“俺なんかと再婚しなければ……”と申し訳ない気持ちで暮らしています」(Bさん)
シニア同士となれば、いつどちらが病気で倒れるかわからない。さらに高齢の親が存命の場合、「再婚後、すぐに義親の介護が始まる」ことも覚悟しておかなければならない問題だ。
