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医心伝身プラス 名医からのアドバイス

【下肢痛治療の最前線】脚の動脈が閉塞し血流が不足する「下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)」、脊柱菅狭窄症の症状による痛みとの見分け方 重症化すると切断リスクも【専門医が解説】

特に重要なリスク因子は「喫煙」「糖尿病」「加齢」

特に重要なリスク因子は「喫煙」「糖尿病」「加齢」

小さな傷から足の切断に至ることもある

 また、透析患者さんは非常に高い確率でASOを発症することが知られています。冠動脈疾患や脳血管疾患で治療している患者さんもASOを合併している可能性があり、重症化すると約5%が足の切断に至るといわれています。特に透析患者さんはASOが重症化して足の切断に至る可能性が高く、ご本人や家族の精神的、経済的な負担が非常に大きくなるため、しっかりとした治療と日常生活の管理が必要になります。

 かつて足の切断は、血流が途絶えて細胞が死滅すること(壊死)が主因と考えられてきました。しかし現在は、糖尿病による神経障害などにより、血管の閉塞がそれほど深刻でなくても、小さな傷から細菌が入って組織が腐る「壊疽(えそ)」を起こし、切断に至るケースがあることがわかっています。こうした下肢切断リスクの高い病態は、現在では包括的に「CLTI(包括的高度下肢虚血)」と呼ばれ、警戒されています。

下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)は症状に応じて5段階に分類される

下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)は症状に応じて5段階に分類される

両手両足の血圧測定でわかるスクリーニング検査

 ASOの疑いがある場合、まず「ABI(足関節上腕血圧比)」という検査を行ないます。これは両手両足の血圧を同時に計測して比率を出すもので、通常は足の血圧の方が高いのですが、足の血流に異常があると数値が1.0未満となり、特に0.9未満になるとASOの可能性が高まります。

ABI検査は、両手両足の血圧を同時に測定して比率を測定する

ABI検査は、両手両足の血圧を同時に測定して比率を測定する

 この測定法の感度は7割程度で、ごく初期の症例ではわからないこともありますが、異常値であった場合の特異度が高く簡便で即座に結果が判明するため、非常に有用な検査といえます。なお、ABIで疑いがあった場合はCTや超音波による画像診断で閉塞している箇所を特定する検査を行なうことになります。

 ただし、間欠性跛行を訴えて受診する患者さんの約6割は動脈の閉塞ではなく、脊柱管狭窄症によって背骨から脚に向う神経が圧迫されているケースです。見分けるポイントとして、脊柱管狭窄症の場合は「前かがみの姿勢で痛みが和らぐ」「自転車は平気だが歩くと痛い」といった訴えが多く、階段も「上りは平気だが下りで痛む」傾向があります。対してASOによる動脈閉塞では、「階段を上る時につらい」と感じるのが一般的です。これらを念頭に検査を行うことで、より迅速な診断が可能になりますが、高齢の患者さんでは両方の原因が重なっていることも少なくありません。

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