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キャリア
「自己紹介」はなぜ面倒くさくなったのか

就活でパターン化した自己紹介を“若者の劣化”と片付けてよいのか? SNSのアカウントごとに自分を使い分ける時代の“自己紹介の面倒くささ”

自己紹介は難しい(イメージ)

自己紹介は難しい(イメージ)

 誰もが「自分らしく生きていい」とされる今の時代は、「国民的○○」なるものが、消滅しつつある。とはいえ、ごく狭いシーンでは何らかが常に「流行って」いる。「SNSで話題!」「TikTokで流行!」といった文言が、ウェブ上には毎日洪水のように溢れている。

 ただし、そうした「流行」を、さもマス(大衆)が皆で追っているかのように扱われるとモヤモヤするし、逆も然り。個々が発信できるということは、これまで「当たり前」扱いで「モヤモヤ」していたことに、ようやく声を上げられる時代になったともいえる。

 加速する時代の先端で、ただしどこか冷静な目で「これでいいのか」ともがき続けるのは、千葉商科大学教授で働き方評論家の常見陽平氏。「のりきれない」事象を取り上げながら、世相を考える。今回は、「自己紹介」について。【前後編の前編】

自己紹介で「何を言ったらいいかわからない」

 最近の社会の変化に追いつけない。流行を理解できない。いや、理解はできるのだけど、納得はいかない。そんな、心にモヤモヤを抱える「のりきれない」という感情は、別に今どきの流行や世の中の“常識”を批判、否定するわけではない。時代にのりきれない、自分自身への自虐でもある。

 自己紹介をする。私は52歳。大学教員、評論家として活動している。同年代の妻と、小学生の娘と一緒に、都内で暮らしている。アラフィフであり、ロスジェネである。大学を卒業後、リクルート、バンダイ、ベンチャー企業勤務をへて、大学院に入り、大学教員となった。転がる石のように生きてきた。

 約20年前に著者デビューし、数々の本を書き、連載を担当してきた。Yahoo!JAPANや、朝日新聞のコメンテーターも担当している。評論家として、時代と向き合い、世相を斬っている。

 今日は「自己紹介」について考える。初対面の人と接する機会が増える新生活では「自己紹介」がつきものだが、「何を言ったらいいかわからない」という人は案外多いのではないだろうか。自己紹介の「のりきれない」感じの正体は、いったい何だろうか。

次のページ:パターン化された「自己紹介」を生み出す社会

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