幹事役の“ポイント独り占め”問題(写真:イメージマート)
大人数の飲み会などの支払いで、揉め事になりやすいのが「ポイント」の扱いだ。幹事がまとめて支払いを済ませてポイントを独り占めすることに、参加者から不満の声が出ることもあるという。そうした行為に法的な問題はあるのか。実際の法律相談に回答する形で弁護士の竹下正己氏が解説する。
【相談】
昨年暮れの忘年会の出来事が、今現在も納得いきません。その集まりで、幹事役を引き受けたのですが、精算の際、私にポイントが貯まる支払いをしたのです。そのことを知った参加者からは「不公平だ」と非難の嵐。でも、幹事の苦労はそれなりにあり、ポイントぐらい貰っても構わないと思うのですが。
【回答】
ポイントには、紙のポイントカードから、電磁的に記録され金銭債務の支払いに使える電子情報のカードまで、様々なものがあります。
これはポイント発行企業が契約に従った通用を保証した、一種の企業通貨です。デジタル情報に基づいて発行企業に、金銭債務の履行を要求できる点は、電子マネーに類似しています。また、貯まるとポイントを付けるカード発行会社以外の事業者の商品購入やサービス料金の支払いにも使えます。要は現金と同じ働きで、その取得の原因となった取引とは別の給付を請求できる権利といえます。
ところで、幹事に会計を任せる関係を法的にみると、忘年会参加者が幹事に支払い手続きという事実上の事務を委任した準委任契約です。この場合、民法の委任の規定が準用され、幹事は準委任契約の受任者になります。受任者には、善管注意義務はありますが、自分の裁量で事務処理を行なえます。
