日本の高度経済成長を支えた創業者は、いまなお高い評価を集める(盛田昭夫氏=左と松下幸之助氏)
日本経済が難局にある今、日本企業の経営者に求められる資質とは何か──。それを考えるうえで、数多の危機を乗り越え、巨大組織を育て、率いてきたリーダーに学ぶことは多い。『週刊ポスト』による有識者への総力調査で独自に作成した「史上最強の経営者」ランキングでは1位に孫正義氏、2位に柳井正氏、3位に稲盛和夫氏が選ばれたが、4位以下にも興味深い人物がランクインした。【全3回の第2回】
“水道哲学”の思想を貫徹した松下幸之助氏
刻々と変化する状況に適応する力も重要になる。本誌『週刊ポスト』は今回、日本の企業や経営者を長年見続けてきたジャーナリスト、アナリスト、評論家、大学教授ら25人にアンケートを実施。「史上最強の経営者」を選んでもらい、回答をポイント化してランキングを作成した。
■有識者25名:天野秀夫、磯山友幸、井上久男、入山章栄、江上剛、エミン・ユルマズ、大西康之、岡山憲史、小川孔輔、荻原博子、片山修、河野圭祐、古賀純一郎、杉村富生、鈴木貴博、須田慎一郎、関慎夫、田嶋智太郎、立石泰則、常見陽平、福田俊之、真壁昭夫、馬渕磨理子、溝上憲文、森岡英樹(五十音順、敬称略)
各識者が最大1~5位まで順位をつけて投票。1位(10点)、2位(9点)、3位(8点)、4位(7点)、5位(6点)として合計点を記した。順位をつけずに投票した場合、一律8点とした。
4位と5位には日本の高度経済成長を支えたソニー創業者・盛田昭夫氏と松下電器産業(現パナソニック)創業者・松下幸之助氏の両雄が並んだ。トルコ出身のエコノミストのエミン・ユルマズ氏は両者を歴代ベスト2の名経営者に推挙する。
「盛田氏は日本企業を世界ブランドに育て上げ、『Made in Japan』の価値を押し上げた。松下氏は大量供給で豊かさを実現する“水道哲学”の思想を貫徹して終身雇用、人材育成など日本型経営の基礎を作りました」
人事ジャーナリストの溝上憲文氏も松下氏の人材戦略を高く評価する。
「日本経済の低成長は、人員削減などのコストカットにより株価を高める『株主重視経営』が一因と考えています。その点で正反対の松下さんは『企業は人なり。事業は人なり』と宣言し、長期的視点で人材育成や教育投資を行ないました」
