日本の美容師の技術力は、外国人からも高く評価されている(イメージ)
「えっ、こんなところにまで!?」――観光地以外でも目にすることの多くなった、訪日外国人の出没スポット。個人経営の飲食店や古着ショップ、書店はもとより、最近では「美容室」が人気なのだという。なぜ、わざわざ日本でヘアケアをしてもらうのか。その実態を追った。
意思疎通に問題は感じないが…
渋谷区で、席数10名ほどの美容室をオープンして15年になる店長・Aさん(40代男性)は、「最近外国人の来店が増えてきました」と、近年、客層に変化がみられることを実感する。
「基本的に予約優先なので、飛び込みで来られた場合お受けできないことも多いのですが、うちの店だから来てくださっているというよりは、『日本の美容室』に行ってみたいということで、たまたま行動範囲内にあるとか、時間が空いたとかで来店される方もいます。ただこれは、お店の場所が渋谷だからかもしれません。渋谷・原宿観光のついでというか」(Aさん)
ただ、実際に予約に空きがあったとしても、満足のいく対応がどうかできるかは別問題だという。やはり意思疎通が問題なのかと思いきや、必ずしもそうではないのだとか。
「翻訳アプリを使えば、意思の疎通はなんとかなる。どんな髪型にしたいかも、ある程度モデルの写真を示すことでイメージは掴めます。保証できないのは仕上がりというか……。外国人の場合、髪質や毛量などが日本人とはかなり異なります。もちろん、日本に住んでいる外国の方や外国ルーツの方を施術することはあるので、できないことはないんですけど、うちが大事にしているのは『その人の生活、ライフスタイルに合った髪型』。観光客の方だと、果たして本当に満足いただけたかどうかを知るのが難しい。切ればいいだけならできるんですけど、僕はどうしても“その先”が気になってしまって……」(前同)
さらに、「観光客はリピーターにはならない」という懸念をAさんは明かす。
「美容室って、リピーターで成立する業界なんですよね。その点、観光客で溢れかえるようになったら、“いつものお店”じゃなくなったことを察知して、今までのお客さんが離れてしまうかもしれない。リピーターの方の足が遠ざかることになるのは絶対に避けたい。キャパが大きい美容室ならそれでもいいのでしょうけど」(同)
