「3S1K」の学区に行きたいという声も少なくない(写真:イメージマート)
都心のマンション価格高騰が注目を集めてきた一方、上昇が曲がり角に差し掛かっているとの見方も出てきている。不動産調査会社の東京カンテイによれば、今年2月、3月の都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)の中古マンション平均価格は前月比でわずかに下落。4月は70平米換算で1億8822万円と再び上昇したが、右肩上がりではなくなってきたなか、同じ都心部でもエリアごとに明暗が分かれてくる可能性がある。
住まい選びで重視される「通勤」と「学校」
住まい選びにおいてどのような観点が重視されるのか、不動産事業プロデューサーで、『街間格差』(中公新書)の著書がある牧野知弘氏(オラガ総研代表)に聞いた。
「日本人が住宅を選ぶ際に重視するポイントのひとつが会社への通勤の利便性です。なるべく便利でできるだけ楽に通勤したいと考える。共働きが当たり前になったことで、夫婦ともに通勤に都合がいい立地を選ぶとなると、割と絞られてきます。
そしてふたつめの大きなポイントが『学校』です。とりわけ子育てファミリー層にとっては極めて大きな要素になる。選んだ地域の学校が自分たちの子供を通わせるのに不安がないか、教育環境が充実しているかは熱心にチェックされます。また、子育て層以外にとっても、学校が多くあって教育環境の充実した街というのは、若い人が多く、大学のキャンパスなどがあれば緑も多い。それゆえ子育て世帯以外の層にとっても選ばれやすい傾向があります」(牧野氏、以下同)
そうした評価を受けるエリアの代表例として、牧野氏は都心6区の一角に位置付けられ東京・文京区を挙げる。
「私立中学への進学率が高いというデータもありますし、文京区内に住んでいれば通えるわけではありませんが、名門の進学校も多い。子供を持つ層にとっては夢のある将来を描きやすい。東京大学をはじめ有名な大学が多く、学生街は常に若い人がいるという特性があります」
