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古賀真人「発掘!好決算銘柄」
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JX金属「2500億円CB」による株価急落が結果的に多額のキャッシュバックを生み出したカラクリ パニック売りの市場に示した「希薄化を打ち消す」強烈なメッセージ

JX金属が開業した「ひたちなか新工場」(写真:時事通信フォト)

JX金属が開業した「ひたちなか新工場」(写真:時事通信フォト)

 AI・半導体需要を追い風に好決算を発表したJX金属。しかし株価は上場来高値から一転、わずか1週間余りで35%超の急落となった。市場が警戒したのは、大規模なCB発行による株式の希薄化懸念と、親会社ENEOSからの自己株取得をめぐる資本政策だ。一連の発表は本当に悪材料なのか。今後の焦点をどう見るか。個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が解説する。

JX金属は決算で驚異的な増収増益を記録

 JX金属は、圧倒的な好業績を背景に上場来高値を更新していたが、5月11日の決算発表と同時に公表された大規模な資金調達策を機に株価は急転直下の下落となった。その後、25月19日にユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(CB)の詳細な発行条件が決定し、続く5月20日には自己株式の公開買付け(TOB)の買付価格が発表されたことで、市場を激しく揺るがした一連の計画の全貌がようやく明らかになった。

 今回は、この株価下落の背景にある決算内容やファンダメンタルズを再確認するとともに、確定したCB発行条件およびTOB価格が株式市場に与えた衝撃について、解説していく。

 まず、同社の直近の業績動向について振り返る。2026年5月11日に発表された2026年3月期の通期決算は、事前の市場予想を大きく凌駕する目覚ましい内容であった。同決算において、売上高は8846億円と前期比で23.7%の力強い増加を示し、本業の儲けを示す営業利益は1750億円と同55.5%増という驚異的な増収増益を記録した。さらに純利益についても1046億円と同53.3%の大幅増益を達成している。

 この劇的な成長を強力に牽引している最大の要因は、世界中で爆発的に普及している生成AIに伴う関連需要の急拡大である。同社が圧倒的なグローバルシェアを誇り、絶対的な強みとする半導体材料事業において、先端半導体向けに必要不可欠な半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔などの主力製品が飛躍的な伸びを見せたことが業績を牽引した。加えて、データセンター網の拡張やクリーンエネルギーシフトに伴う世界的な銅価の上昇というマクロ環境の追い風も、同社の業績を大きく底上げする要因となった。

 しかし、新年度の2027年3月期の業績見通しは、イラン情勢や物価高などを加味し、売上、利益ともに一桁成長にとどまる発表となった。

次のページ:「2500億円CB」で意識される4860円の上値抵抗線

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