使途に応じて借りる先を考えたい(イメージ)
総務省がまとめた「家計調査報告」によると、一般的な夫婦2人の年金受給額(厚生年金の標準モデル)が月約23万7000円なのに対し、税金などを含む生活費支出は約29万7000円で、多くの世帯で預貯金を取り崩している現状が垣間見える。では、もしも預貯金が尽きて「年金」だけでやり繰りするなかで思わぬ出費が生じたならば、借金という選択肢を考えることになるだろう。前編では生命保険の「契約者貸付」や、ゆうちょ銀行の「貯金担保自動貸付け」などを紹介したが、それ以外にも“安心しても借りられるお金”はある。【前後編の後編】
「リフォームローン」「不動産担保ローン」を活用
医療や介護と並び、多額になりやすいのが住居にかかる費用だ。家計再生コンサルタントでファイナンシャルプランナーの横山光昭氏はこう言う。
「持ち家の一戸建てであれば屋根や外壁、水回りの修繕やバリアフリー化のために自治体の補助金を活用しても、数百万円がかかる可能性があります。賃貸住まいでも、賃料や管理費の値上げが続くことで長期的な老後資金の計算は大きく狂うことがあります」
生命保険の解約返戻金や定期預金などがない場合、次に借入の選択肢となるのが、金融機関のローンだ。住宅の修繕・補修には、「リフォームローン」を活用する手もある。工事見積書などの提出が必要で、審査・入金まで時間がかかることが多いが、比較的低金利で借入できるメリットがある。返済期間も10~15年と余裕がある。
300万円を超える修繕費が見込まれる際は、不動産担保ローンの活用も視野に入る。申し込み、完済時の年齢に制限があるのが一般的だが、近年は完済時年齢を「最長85歳」とする商品も増えてきた。返済期間を長めに設定(15年以上)できることもあり、その他の無担保ローンに比べて金利を低く抑えられることもある。ただし注意点もある。
「返済不能時には、担保にした自宅を手放さなければならなくなるリスクに留意してください」
住宅の補修、修繕については比較的軽微な場合、主に地銀や信用金庫、JA、ろうきんなど地域金融機関が提供する「シニア向けローン」を活用することも可能だ。シニア向けローンは、基本的に年金生活者向けの商品で、年金収入のみでも申し込める金融機関が多数あるという。
「基本的に使途は自由なので、あらゆるシーンで活用できるのがメリットと言えます。ただし、借入額などにより年10%程度の高金利になるケースもあるので、複数の窓口で金利・返済期間・総支払額を比較し、慎重に選ぶことが重要です」
