キオクシア株に振り回される投資家も(写真:イメージマート)
日経平均株価は一時、7万円を突破する勢いを見せ、かつてない高値圏で推移している。この株高で一際目立っているのが半導体メモリ大手・キオクシアホールディングスだ。2014年12月18日にIPO(新規上場)した際の公開価格1455円から、今年6月15日には9万円台を突破して株価が60倍超にまで膨らみ、時価総額はトヨタ自動車を超える爆騰ぶり。いったいどこまで上昇を続けるのかという声も広がる。
本当に儲けているのは一握りの投資家にすぎない
キオクシアHDの株価について、「さすがに上がりすぎ」と冷静に見るのは、資産10億円超を築いた兼業投資家の株億太郎さんだ。株億さんが指摘する。
「キオクシアHDをはじめアドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループなどAI・半導体関連の“1番手”が日経平均株価を引き上げてきましたが、さすがに上がりすぎていて、いずれ調整は必至と見ています。
今後もAI自体は発展するとしても、株式市場におけるAIブームはどこかで収束しますから、その見極めは大切。まして、私は日経平均株価が7万円を通過点に10万円を目指すと見ていますが、それは一部のAI・半導体関連によるものではなく、より幅広い銘柄にすそ野が広がることでもたらされると考えています」(以下、「」内コメントは株億さん)
株億さんがなにより気がかりなのが、今回の株高の恩恵が多くの個人投資家に広がっているわけではなく、一部に限定されていることだという。
「キオクシア株で本当に儲けているのは、実はほんの一握りの投資家にすぎないでしょう。たとえば、政府が音頭をとる『貯蓄から投資へ』の流れを受けて、それまでの貯蓄1000万円を元手に株式投資を始めた人に話を聞くと、AIブームに乗ってここ1年で2000万~3000万円に増やしたそうです。そして、キオクシア株が5万円台の時に『さすがに高すぎるのでは』と下げを見越して“空売り”をかけたそうです。それも信用取引なので元手の3倍近い7000万~8000万円分の取引にしたところ、キオクシア株は上昇を続け、目論見とは反対の値動きで追証(追加証拠金)が発生し、『もう耐えられない』と諦めて、この1年の儲けを失った格好です。そうした投資家は山のようにいると思います」
