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葬祭のプロが考える「これからの葬儀」
新たな墓地探しの難しさと最適解

「墓地、納骨堂、樹木葬、ゼロ葬…」結局どれを選べばよいのか? 1級葬祭ディレクターが提案する“令和のお墓選び”の最適解

「墓はいらない」という人の選択肢

 墓や遺骨にこだわりを持たず、なくてもいいという人には「散骨」と「ゼロ葬」という選択肢があります。

 散骨は、山や海など自然環境に遺骨をまく方法です。山は所有権の問題や、周辺住民への配慮の問題がからんでくるので、海にまく方法が主流です。マスコミの終活特集で必ずと言っていいほど取り上げられるので、定着しているイメージがありますが、実際に行う人は数パーセントに過ぎないと言われます。「自分が死んだら散骨してほしい」と事前相談で希望する方はいるかもしれませんが、菩提寺と家族で意見が食い違って実現しないケースもあるでしょう。

 菩提寺は「先祖代々の墓があるのだから、そこに納めるべきでは」と言い、家族は「故人の意思を尊重したい」と言う。折衷案として、遺骨の半分は残して、残り半分を散骨した方もいました。

 私は、海での散骨に立ち会ったことがあります。

 遺族といっしょに散骨業者の船に乗って、神奈川県の港から出航しました。漁業への風評被害を避ける目的もあって、沿岸部での散骨は避けられるのが一般的です。

 1時間ほどすると、周りは見渡す限り水平線です。そこで事前にパウダー状にした遺骨を分けて紙に包み、お花といっしょに海に投げ入れます。故人の好きだった音楽を流し、遺骨が海に沈んでいくのを見届けてから、帰港しました。

 体験する前は「果たしてどうなのだろう」と未知の思いでしたが、経験してみると良いものだったという感想です。海の美しさやクルージングの高揚感もあったと思いますが、遺族全員が納得して、故人の望んだ形で見送ろうという想いの共有があったためでしょう。費用に関して、船1隻をチャーターする場合は30万円前後、遺族が立ち会わず業者にお任せする場合は5万円~が目安です。

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