老後支出の決断は慎重に(イメージ)
入院、通院、介護に看取り、葬儀代に相続……など、人生の最期に差し掛かってなお、さまざまなことにお金がかかる。その費用を確保するためにも、老後における支出の見直しは重要だ。人生最後の“間違いのない総決算”のために、どんなことをすればいいのか。【全3回の第2回】
保険は「解約」ではなく、まず「見直し」
まず精査したいのが支出だ。水道光熱費の節約やサブスクの解約と並んで、“無駄な支出”とされがちなのが保険。子供が独立した後はすべて解約すべきという論もあるが、早計だ。行政書士で相続・終活コンサルタントの明石久美さんが言う。
「“保険は病気や死亡を保障するためだけのもの”ではないのがいまや広く知られている。
貯蓄や運用に適した商品もあるため、どれだけ貯蓄があるか、子供に資産を残す必要があるかなども検討材料に入れましょう。また一度解約すると、加入し直すことは年齢的に難しく、元本割れして損失が出てしまうことも。解約だけを検討するのではなく、入っている保険を基にプラン変更をするなど、見直しをするといい」
公的保険が充実している日本では、保険に入らなくても高額介護合算療養費制度や高額介護サービス費などで病気や介護にも対応できるといわれるが、それも安心材料にはならず、むしろ“誤算”となりうる。政府は高齢者の医療費負担を増やそうとする動きを強めているからだ。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんが指摘する。
「“公的制度があるから、大丈夫”ということはありません。特に高額療養費制度に関しては2026~2027年の間にも見直しが行われ、負担上限額が引き上げられます。さらに改正はこれで終わりと楽観視することもできません」(黒田さん)
