金利上昇対策として「借り換え」も選択肢の一つ
日本銀行の政策金利が6月の金融政策決定会合で1.0%に引き上げられ、住宅ローンの変動金利を利用中の人は来年1月以降の返済に反映される見通しだ。住宅ローンの変動金利が上昇することで、「借りるなら変動か固定か」という議論が活発化しているが、住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」を運営するMFS取締役CMOの塩澤崇氏は、それでも現時点では固定より変動のほうが有利だと見る。とはいえ、金利上昇により返済額が増えるのは避けられない。すでに住宅ローンを組んでいる人はどう備えればいいのか。塩澤氏に聞いた。
「変動から固定」への借り換えのデメリット
変動金利が上がれば月々の返済額がアップして家計を直撃する。一般に借入金3000万円の35年ローンで金利が0.25%上がると月の返済額が3300〜3500円ほど上がり、年間約4万円の負担増になるとされる。
すでに変動金利で住宅ローンを借りている人は、“金利のある世界”でどう暮らしを守ればいいのか。
金利上昇に対抗するには、住宅ローンの「借り換え」も選択肢のひとつとして浮上する。借り換えとは、別の銀行から新しくローンを借り入れ、その融資金で現在のローンを完済することだが、「変動から固定」への借り換えはデメリットのほうが大きいと塩澤氏は見る。
「過去の例からもわかるように、政策金利は上がることもあれば下がることもあります。変動金利が上がりそうだからと固定金利に切り替えると、金利が下がった局面の恩恵を受けられなくなります。また、当初の支払額が変動より増えるため、運用に回す資金が少なくなるデメリットもあります」
借り換えをするなら「変動からさらに低い変動」が望ましいという。とくに検討に値するのは、「住宅ローン開始時に割高な変動金利を選択した人」や、「10年固定などの『固定金利選択型』のローンを選んだ人」だとする。
「借り入れを開始した時期や銀行によっては1.5〜2%程度の割高な変動金利でローンを組んでしまった人が一定数います。『固定金利選択型』には最初の10年間は比較的安い固定金利で、11年目から変動金利に切り替わる『10年固定の住宅ローン』などがあります。このタイプは変動金利が高く設定されることが多く、固定金利期間が終了したらネット銀行など低い変動金利への借り換えを積極的に検討すべきでしょう」
