拾うにしても、落とした人が困るかもしれないと判断できる物を拾うのがよいでしょう。なお、拾ったまま届け出ないで使ったりすると『遺失物法』では処罰されませんが、刑法の遺失物横領の罪として1年以下の拘禁刑、又は10万円以下の罰金、もしくは科料で処罰されます。遺失物を拾うと、その占有を開始することになり、拾得した物を自分の物にしてしまった場合、この犯罪になります。
以上のように、拾う行為は届け出が面倒になり、そのうち忘れてしまうようなこともあるので、ネコババする気はなくとも犯罪扱いされかねず、結局は責任を引き受けることですから、軽々しくすべきではありません。ましてや落とした場所に置いておけば、持ち主に戻る可能性もあります。
とはいえ、これは大人のあなたへの回答です。幼い子供さんには、社会とのつながりを大切に抱いてもらうために、届け出をするよう躾けるのは間違っていません。
あなたも交番で、警察官の対応の苦労を学んだという貴重な経験をなさったではありませんか。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2026年8月7日号