子供や孫のために作った口座が「名義預金で課税対象になる」と見なされた
生前贈与で相続税対策をする人も多いが、「贈与したつもりが、できていなかった」というパターンは意外と多い。
「子供や孫名義の口座をつくってお金を貯めていても、口座の名義人となっている子供や孫がその存在を知らなければ『名義預金』とみなされる。
せっかく口座に入れたお金もほかの相続財産と一緒に、遺産分割の対象になるので、子供の名義預金をしていた場合は相続税が課せられやすくなります。孫の名義預金をしていた場合は、孫は法定相続人ではないため、その孫にお金が渡らなくなってしまう。
贈与は『あげる』『もらう』の意思を双方で確認し、もらった側が自分で口座、通帳、印鑑を管理するよう、本人に渡しましょう」
祖父母から孫へ名義預金があった場合は、子(孫にとっての親)が一度、法定相続人としてその分を相続し、そこから贈与すれば、祖父母の意思の通りにお金を渡すことができる。
生前贈与は、特定の相続人だけにしていると、相続時に「特別受益(相続財産の先渡し)」として扱われ、取り分が減らされてしまう場合もある。ベリーベスト法律事務所の弁護士・田渕朋子さんが言う。
「これを防ぐには、財産を渡す側が、相続人の普段使いの口座に入金するなど、贈与したことが明確にわかるようにしておくのがいいでしょう」(田渕さん・以下同)
また、10年以内の生前贈与(特別受益)によって遺留分が侵害されている場合は、その分を請求する「遺留分侵害額請求」をすることもできる。
一方で、遺留分とは無関係なのが「生命保険金」だ。
「一般的な保険金額なら、生命保険は遺留分侵害額の対象にはなりません。このため“事情があって住宅取得資金を出してあげたが、ほかのきょうだいから遺留分侵害額請求をされるかもしれない”といったときに、あらかじめその子を生命保険の受取人にしておき、その保険金で遺留分侵害額を払えるようにしておく方法もあります」
生命保険金は相続時にもメリットがあるが、医療保険は別だ。