“お客様化”する学生たちの実態(写真:イメージマート)
大学の授業を「お金を払って受けるサービス」と捉える学生の“お客様化”が指摘される一方で、学生からのクレーム対応に疲弊する教員が増えている。もちろん、学生が授業内容や成績評価に疑問を持ち、教員に説明を求めることはまっとうな権利だ。
だが、一部の現場では教員に対して不当な要求をしたり、すぐに過剰なクレームを入れたり、自身の非を認めずに教員側に責任転嫁したりするなど、まるで「カスハラ」のような振る舞いをする大学生が目立つという。最高学府の現場で何が起こっているのか、そのリアルな声を調査した。【大学で深刻化するカスハラの実態・全3回の第1回】
私語を注意するも「迷惑をかけた意識はない」と逆ギレ
中部地方の私立大学で人文社会系の科目を担当する男性教員・Aさん(30代)は、授業中に私語がやまなかった男子学生らを注意した。すると、返ってきたのは驚くべき反応だった。
「以前なら、私語を注意すると、とりあえず『はい、すいません』と静かになる学生が多かったんです。でも、今年の講義では『は? 迷惑をかけたつもりはないですが』『別に後ろの方の席ならよくないですか』と返され、非常に驚きましたね。こちらとしては、何度も教卓から『話している人はやめてください』と注意をした。
しかし、3回も4回も注意してもやまなかったため、本人らの席に行って直接注意したところ、この反応です。私は他の学生の学習環境を守るために注意をしているのですが、本人らは“迷惑をかけた自覚がないから問題はない”という論法で、応戦してくるのです。自分が悪いことをしたという感覚がないのか、自分の非を認める気がないのか……」(Aさん)
Aさんをさらに驚愕させたのは、彼らの次のような発言だった。
「私が続けて、『あなたたちの自己認識の問題ではなく、周囲に迷惑をかけている事実を問題視しているんです。話しを続けるなら教室から出なさい』というと、『授業料払っているのに、学ぶ権利を奪うってことですか?』『教室から出して、単位取れなかった場合は責任取れるんですか?』と畳み掛けてきたこと。正直、開いた口が塞がりませんでしたね。このような反応はこれまで見たことがなかったし、隣の席にいる彼らの友人たちも、クスクス笑っていて、こちらが精神的に疲弊します」(同前)
