学生の授業評価アンケートには予想外の回答も(Getty Images)
いま大学の現場はどうなっているのか──。シリーズ「大学で深刻化するカスハラの実態」第1回・第2回記事では、“お客様化”する学生の実態と、それに疲弊する教員たちの声を紹介した。カンニングが発覚して逆ギレしたり、公欠扱いを強要したりするといった、もはや「カスハラ」とでもいうべき過度な要求も見られるという。
たしかに、大学組織は学生の声に耳を傾けることが必要だ。その一環として、教育改善のため、学生による授業評価アンケートを導入している大学も多い。また、授業の感想などを提出させるリアクションペーパーを導入することも一般的だ。
ところがそうした制度が、学生から教員への人格攻撃やハラスメントの温床ともなっている実態があるという。【全3回の第3回】
授業内容ではなく、身体的特徴や話し方に言及する学生も
関西圏の私立大学で専任講師をしている女性教員・Aさん(20代)は、リアクションペーパーで、セクシャルハラスメントに相当する言葉を書き込まれ、「コメント欄を見るのが怖くなった」と語る。
「私は20代後半で、大学教員のなかでは相対的に若いほうです。若い女性教員というのは母数が少ないこともあり、学生に親近感を持ってもらいやすい一方で、悪く言えば“舐められやすい”存在でもあります。非常勤講師時代を含めれば、20代半ばから講義をしているので、たびたびコメント欄に不適切なことを書かれてきました。
たとえば、リアクションペーパーで授業の感想を提出させた際に、『結構タイプです! デートしたいです(笑)』とか『年下何歳まで行けますか~? 連絡待ってます!』といった冷やかしのようなことを書かれたり、手書きのリアペ提出の際には、裸体のイラストだけが書かれた紙が提出されたこともありました。コメント欄を見ると動悸がするようになり、そこからテスト方式に変更しました」(Aさん)
こうした身体的特徴に言及するような不適切な書き込みは、女性教員だけでなく男性教員に向けられることもある。都内の私立大学で非常勤講師を務める男性・Bさん(40代)も、学生からの攻撃的言動に悩まされた経験がある。
「勤務先の大学の授業評価アンケートは、完全匿名性で、最後に自由回答記述の欄があります。その結果が教員に配布されるわけですが、そこに『見た目が不快』『話し方が生理的に無理だった』『マイクに息が入って気持ち悪かった』と書かれたことがあります。また、別のコメント欄では授業内容へのコメントを求めたのに、『近くで話したときに臭かった』と書かれたことも……。
正直、かなりショックでした。身だしなみにも気をつけているつもりでしたし。いくら匿名だとしても、真剣に授業をしてきたことへの反応がこれなのかと、傷つきましたね。こうした書き込みを見ると、教室に入ることが怖くなりますし、新学期の初回講義はドキドキしてしまって、学生たちが全員敵のように感じてしまいます」(Bさん)
