全英女王となった桑木が手にしたものは大きい(写真・GettyImages)
14日に開幕するNEC軽井沢72が、全英女子オープンを制覇後の凱旋試合となる桑木志帆(23)。海外メジャー優勝は日本女子7人目(8度目)となる快挙だ。全英女子オープンは2019年に“シブコ”こと渋野日向子(27)が初出場・初優勝を飾ってスターとなった印象が強い。渋野と桑木は同じ岡山出身という縁もあるのだが、実は7年前の渋野と今回の桑木が手にした優勝賞金の額には大きな違いがあるのだ。
渋野が優勝した時の優勝賞金が67万5000ドルなのに対し、桑木は今回、150万ドルを獲得している。ゴルフ担当記者が言う。
「わずか7年で優勝賞金の額が約2.2倍に増えています。しかも、2019年当時は1ドル=約110円で、渋野の手にした額は日本円に換算して約7425万円。今は1ドル=約158円と円安が進み、桑木が獲得したのは円ベースだと約2億3700万円。その差は約3.2倍に達します。
2019年に米保険大手AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)が冠スポンサーに就任して以降、賞金は右肩上がり。山下美夢有が昨年、優勝した時の賞金は146万2500ドルと比べても、3万7500ドル増額されている」
日本ツアーの優勝賞金は最高7200万円
この流れのなかで、日本ツアーとの「賞金格差」もどんどん開いている。昨年の日本女子ツアーの年間獲得賞金1位は佐久間朱莉で2億2728万5959円。桑木はこれを全英制覇の1試合で稼ぎ出したことになる。プロ5年間で桑木が積み重ねてきた累計獲得賞金は4億1289万3857円で、その半分以上にあたる額を1試合で稼いだとも言える。
日本国内の女子ツアーは全37試合あり、今シーズンは賞金総額が史上最高の48億9550万円となったが、それでも優勝賞金で最も高額なのは6月の「EARTH MONDAMIN CUP(アース・モンダミンカップ)」の7200万円だ。全英の3分の1以下の額である。日本ツアーのメジャー4大会(サロンパスカップ、日本女子プロ、日本女子オープン、リコーカップ)において、最高優勝賞金は優勝者やランク上位者など40人しか出場できない「リコーカップ」の3750万円。桑木が手にした約2億3700万円がいかに高額かわかる。
全米女子オープンと全米女子プロが競うように高額化
米女子ツアーのメジャー5大会(シェブロン選手権、全米女子オープン、全米女子プロ、エビアン選手権、全英女子オープン)の中には、さらに高額優勝賞金の大会がある。USGA(米国ゴルフ協会)が主催して7000ヤードを越える超難コースで開催される「全米女子オープン」とLPGA(全米女子プロゴルフ協会)が主催して女子プロナンバー1を決める「全米女子プロ」で、この2大会が競うように賞金総額をアップしている。
昨年、この2大会は賞金総額1200万ドルで開催されたが、今年の「全米女子オープン」は賞金総額を50万ドル増やして1250万ドルにアップされた。優勝賞金も240万ドルから250万ドルとなり、今年優勝したネリー・コルダが日本円換算で約4億円を手にしている。
「日本勢最高の6位タイに入った畑岡奈紗は賞金42万9478ドル(約6786万円)を獲得した。桑木志帆は14位タイながら日本ツアーのメジャー最高優勝賞金に匹敵する22万6360ドル(約3576万円)を手にしている」(前出・ゴルフ担当記者)
すると3週間後に開催された「全米女子プロ」では大会直前に賞金総額を前年より100万ドル増額することを発表。賞金総額が1300万ドルとなり、「全米女子オープン」に50万ドルの差をつけて女子ゴルフ史上最高額を更新することになった。
ただ、優勝した韓国のユ・ヘランの獲得賞金は195万ドルで、全米女子オープン優勝のネリー・コルダより55万ドル少ない。ゴルフジャーナリストが言う。
「分配率が違うからです。LPGAが主催する『全米女子プロ』が賞金総額に対する優勝賞金の分配率が一般的な米女子ツアーと同じ15%なのに対し、USGAが主催する『全米女子オープン』は男子の『全米オープン』と同じ20%にしているため、優勝賞金は55万ドル多くなる。
テニスの4大大会での男女の優勝賞金が同額になるなど、スポーツ界でも男女の格差をなくす方向に動きがあり、USGAでは男女格差を意識してのもの。いずれLPGAも分配率のアップに動くと見られている」
